辨 |
マルメロ属 Cydonia(榲桲 wēnbó 屬)は、1属1種。 |
バラ科 Rosaceae(薔薇 qiángwēi 科)については、バラ科を見よ。 |
訓 |
「和名ハぽるとがる語ノ Marmelo ニ出ヅ、卽チ英語ニテ云フ Quince ヲ同國ニテハ斯ク云フ、又同國ニテノ Marmereiro ハ其樹ヲ指シ、Marmelada
ハ其實ノ砂糖漬ヲ指ス」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)26榲桲に、「マルメロ マルメル マルメイラ オニメロ マルウメ南部 マルメ同上 ボウカイ仙台 ボウカイナシ同上」と。 |
説 |
中央アジア原産。西洋では、ギリシア・ローマ時代から栽培されていた。
中国では、新疆・陝西・江西・福建などで栽培。
日本には寛永11年(1634)に渡来、古くから長野県諏訪地方の特産(地元ではカリンと誤称している)。 |
誌 |
果実を生食し、加工してジャム・果実酒にし、また漢方では薬用に供する(ボケの誌を見よ)。
また、ナシ・リンゴなどの台木として用い、耐寒性を高める。 |
『詩経』衛風・木瓜(ぼくか)に「我に投げるに木李を以てす」とある木李は、一説にこれだという。 |
『花壇地錦抄』(1695)巻三「梨子(なし)るひ」に、「まるめろ 花ハかいだうのごとくなり」と。 |