きゃべつ 

学名  Brassica oleracea var. capitata
日本名  キャベツ 
科名(日本名)  アブラナ科
  日本語別名  タマナ(玉菜)、ボタンナ(牡丹菜)、カンラン(甘藍)
漢名  甘藍(カンラン,gānlán)
科名(漢名)  十字花(ジュウジカ,shízìhuā)科
  漢語別名  卷心菜(ケンシンサイ,juănxīncài)、洋白菜(ヨウハクサイ,yángbáicài)、
包菜(ホウサイ,bāocài)・包包菜・包心菜・包心白・包頭菜、椰菜(ヤサイ,yēcài)、
藍菜・普通甘藍・結球甘藍、西土藍、蓮花白・葵花白菜、大頭菜、
圓白菜・圓心菜、疙瘩白
英名  Cabbage
2008/09/11 羽村市
2005/06/08   所沢市坂之下
2006/04/24 三好町竹間沢

 変種に、コモチカンラン(メキャベツ)・カリフラワー・ブロッコリーなどの蔬菜のほか、観葉植物のハボタンがある。
 アブラナ属 Brassica(蕓薹 yúntái 屬)の植物については、アブラナ属を見よ。
 英名 cabbage は、古仏語の「頭 caboche」から。
 もと幾つかの熱帯ヤシ(椰子)類の梢芽が頭の形のように見えるのを cabbage, cabbage palm, cabbage palmetto と呼んだ。現地ではこれを食用にする。
 後に、cabbage は Brassica oleracea var. capitata を呼ぶ名として転用された。
 漢名の椰菜(ヤサイ,yēcài)は、cabbage の原義から。ただし今日では椰菜の語はほとんど用いられず、花椰菜(カヤサイ,huāyēcài)の語に生き残るのみ。
 ヨーロッパ原産。地中海東部沿岸やイギリス南部の野生種を、ヨーロッパ西部で栽培化したものかという。
 ケール類とともに、もっとも古く栽培化された oleracea。
 B.C.6c.ころには ケルト人によりヨーロッパ各地で栽培され、ギリシア・ローマでも薬用品・健康食品であった。
 結球性のキャベツは、中世にイタリアで作られた。
 中国に入ったのは、一説に17世紀、一説に19世紀。
 日本には約800年前に入ったともいうが、蔬菜としての本格的な導入は幕末・明治以降。 
 豚カツにキャベツの千切りを添えることは、明治時代に銀座の煉瓦亭が創始したと言う。
 世界の主要なキャベツ生産国(1979現在)は、ソ連(870万t)・中国(571.5万t)・日本(417万t)が図抜けている。

   キヤベツの段々畑緑なり雨霽れ空に白雲の湧く
   野に来れば遠きキヤベツの畑をゆく空ぐるまの音もなつかしきかな
   あまつさへキヤベツかがやく畑遠く郵便脚夫疲れくる見ゆ
   狂ほしき夜は明けにけり浅みどりキヤベツ畑に雪はふりつつ
   雪ふるキヤベツを切ると小男が段々畑をのぼりゆく見ゆ
   かなしみに顫へ新たにはじけちるわれはキヤベツの球ならなくに
     
(北原白秋『桐の花』1913)
 

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