辨 |
ミソハギ科 LYTHRACEAE(千屈菜 qiānqūcài 科)には、世界に28-30属 約620-650種がある。
ヒメミソハギ属 Ammannia(水莧菜屬) 世界に約30-80種
A. arenaria(耳葉水莧)
ナンゴクヒメミソハギ(アメリカミソハギ) A. auriculata(耳基水莧) 熱帯アメリカ原産
シマミソハギ(ナガトミソハギ) A. baccifera(水莧菜) 旧世界の熱帯・亜熱帯産
ホソバヒメミソハギ A. coccinea(長葉水莧菜) 南北アメリカ・カフカス・イラン産
ヒメミソハギ A. multiflora(多花水莧) アジア・アフリカ・豪州の熱帯・亜熱帯に産
ハナヤナギ属 Cuphea(萼距花屬) 南北アメリカに約250種 日中で数種類を観賞用に栽培
ネバリミソハギ C. carthagenensis 熱帯アメリカ原産、南西諸島に帰化
C. hooeriana(萼距花・虎克萼距花) メキシコ原産
メキシコハナヤナギ C. hyssopifilia メキシコ・グアテマラ原産
タバコソウ(ベニチョウジ) C. ignea(萼距花) メキシコ原産
ハナヤナギ C. micropetala メキシコ原産
クサミソハギ C. procumbens(匍匐萼距花) メキシコ原産
ミズヤナギ属 Decodon(千屈梅屬) 北米東部に1種
D. verticillatus
シダレオオサルスベリ属 Duabanga(八寶樹屬) 熱帯アジア・ヒマラヤに2種
D. gandiflora(八寶樹) 雲南・東南アジア・ヒマラヤ産
D. moluccana フィリピン・インドネシア・ニューギニア産
キバナミソハギ属 Heimia(黃薇屬)
Lafoensia(麗薇屬) 熱帯アメリカに約12種
L. vandelliana(麗薇)
サルスベリ属 Lagerstroemia(紫薇屬)
シコウカ属 Lawsonia(散沫花屬) 東アフリカ・アラビア・インドに1種
シコウカ(ツマクレナイノキ) L. inermis(散沫花・指甲花・柴指甲;E.Henna) 橙赤色の染料
ミソハギ属 Lythrum(千屈菜屬)
ミズガンピ属 Pemphis(水芫花屬) 旧世界の熱帯・亜熱帯に2種
ミズガンピ P. acidula(水芫花) 琉球・臺灣・東南アジア・濠洲・ポリネシアに産
ザクロ属 Punica(石榴屬)
キカシグサ属 Rotala(節節菜屬)
ハマザクロ属 Sonneratia(海桑屬)5-7種
ハマザクロ S. alba(盃萼海桑) 琉球・海南島・アフリカ東部・スリランカ・東南アジア・濠洲に産
S. caseolaris(海桑) 南&東南アジア・濠洲北東部産
ヒシ属 Trapa(菱屬)
Woodfordia(蝦子花屬) 旧世界の熱帯に2種
W. fruticosa(蝦子花) 兩廣・雲南・東南アジア・インド・マダガスカル産
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ミソハギ属 Lythrum(千屈菜 qiānqūcài 屬)には、世界に約35種がある。
ミソハギ L. anceps(L.salicaria subsp.anceps, L.salicaria var.anceps;光千屈菜)
アメリカミソハギ L. californicum
コメバミソハギ L. jyssopifolia
L. intermedium(中型千屈菜)
エゾミソハギ L. salicaria(L.intermedium;千屈菜;
E. Purple loose strife)『中国雑草原色図鑑』142
ケナシエゾミソハギ f. glabrum(L.intermedium;無毛千屈菜)
『中国本草図録』Ⅵ/2739
L. virgatum(帚枝千屈菜)
ここに記すように、ミソハギ L. anceps を エゾミソハギ L. salicaria の種内分類群とする考え方がある。
Kew植物園や『植物智』は、L. anceps, L. salicaria var.(subf.) anceps を、L. salicaria
のシノニムとする。
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訓 |
「和名ハみそぎはぎ卽チ禊萩ノ略ト謂フ、溝萩トスルハ非ナリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。その他の語源説については『日本国語大辞典 第二版』を見よ。 |
『本草和名』鼠尾草に、「和名美曽波岐」と。
『倭名類聚抄』鼠尾草に、「和名美曽波木」と。 『大和本草』鼠尾草(ミソハギ)に、「世俗コレヲ以中元ニ人鬼ニ水ヲ祭ル故ミヅカケ草トモ云、ミゾハギ也」と。
ただし、鼠尾草はアキノタムラソウである。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北に分布。 |
誌 |
中国では、ミソハギ・エゾミソハギの全草を千屈菜と呼び、薬用にする。『全國中草藥匯編』上/125,下/144-145
また華北・華東では庭園に、盆栽に、観賞用に栽培する。
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日本では、ミソハギ・エゾミソハギを花卉として盂蘭盆の仏事に用いる。
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