ひし (菱) 

学名  Trapa bispinosa var. iinumai (T. japonica)
日本名  ヒシ
科名(日本名)  ヒシ科
  日本語別名  
漢名  菱・蔆(リョウ,ling)
科名(漢名)  菱科
  漢語別名  菱角(リョウカク,lingjiao)、丘角菱、芰(キ,ji)
英名  (Japanese) Water chestnut, Water caltrop
2007/05/10 薬用植物園
2004/06/10 万葉植物園 2004/07/01 同左

2004/08/17 薬用植物園
2010/08/21 富山県中央植物園


 ヒシ科 TRAPACEAE(菱科)には、ヒシ属 Trapa(菱屬) 1属がある。多種の分類は一定せず、1乃至約30種を数える。
   ツノナシビシ T. acornis
   トウビシ T. bicornis(烏菱;E.Water chestnut)
 『中国本草図録』Ⅳ/1761
   トウビシ T. bispinosa(・菱角)
 『中国本草図録』Ⅰ/0235
     ヒシ var. japonica(T.japonica)
   ヒメビシ T. indica
     var. quadricaudata(刺菱・野菱)
   T. maximowiczii(細果野菱・菱角)『中国雑草原色図鑑』143
   T. natans
     var. natans(E.Jesuit's nut, Water caltrop)
        
ヨーロッパ産、北アメリカに帰化して異常繁殖している
     オニビシ var. japonica
     var. komarovii(T.komarovii;格菱)
     メビシ var. rubeola
   T. pseudoincisa(格菱)
 『中国本草図録』Ⅵ/2742
   T. quadrispinosa(野菱・四角菱・四角野菱) 
 漢名の菱・蔆は、同字。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)芰実、及び源順『倭名類聚抄』(ca.934)菱子に、「和名比之」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)29芰実に、「ミスモクサ古歌 ヒシ」と。
 日本・朝鮮・中国全土・ウスリーに分布。埼玉県では準絶滅危惧(NT)。
 中国・インド・日本ではしばしば栽培する。
 ヒシ類の実は澱粉を含むので、食用にし 酒を醸し、また薬用にする。 
 中国では、『礼記』「内則」に、周代の君主の日常の食物の一として蔆を記す。
 舟を出してヒシの実を収穫する仕事(採菱)は、中国では女性の役割。ハスの実を採る採蓮と並んで、水郷の秋の風物詩であった。
 日本では、菱は『日本書紀』に載る応神天皇(5c.初)の歌に初見。

   みづ
(水)たま(渟)る よさみ(依網)のいけ(池)
     ぬなは
(蓴)く(繰)り は(延)えけくし(知)らに
   ゐぐひ
(堰杙)(築)く かはまたえ(川俣江)
     ひしがら
(菱茎)の さ(刺)しけくし(知)らに
   あ
(吾)がこころ(心)し いやうこ(愚)にして

 『万葉集』には、採菱のようすを詠う。

   君がため浮沼
(うきぬ)の池の菱採(つ)むと吾が染(し)めし袖ぬれにたるかも
     
(7/1249,柿本人麻呂)
   豊国の企玖
(きく)の池なる菱のうれ(末)を採むとや妹が御袖ぬれけむ
     
(16/3876,豊前国の白水郎)
 近代では、

       菱の實(み)とるは誰が子ぞや
       くろかみ風にみだれたる ・・・
          
蒲原有明「菱の實採るは誰が子ぞや」(『草わかば』1902)より
 


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