辨 |
栽培品種ナシ var. culta の野生種。 ナシ属 Pyrus(梨 lí 屬)の植物には、ついては、ナシ属を見よ。 |
訓 |
『倭名類聚抄』■{木偏に离}に、「和名夜末奈之」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』に、「鹿梨 ヤマナシ和名鈔 アリノミ京 イヌナシ濃州 ユデナシ雲州」と。 |
漢名の沙梨は、果肉に沙のような粒粒があることから。
英名 sand pear も、同。 |
説 |
中国の中・南部の原産か、広く東・東南・南アジアの温帯・暖帯で栽培する。
中国では華中・華東・華南・西南の 標高100-1400mの温暖多雨の地域で栽培、栽培品種多し。 |
日本には古く渡来、九州・四国・本州の人家近くや里山に野生化している。
長十郎・二十世紀などは日本で作られた品種。 |
誌 |
山梨県という県名は、明治4年(1871)甲府県を改めて名附けられたもの。「山梨の語源としては、「延喜式」にアオナシを朝廷に献じたことが記されており、山ナシを多く産した地であるとか、甲府盆地の山がない地形にあったから山無しが山梨となったなどの説がある」(『角川日本地名大辞典』)。 なお、今日のアオナシはこちら。 |