たらのき (楤木・桵木)
学名 |
Aralia elata |
日本名 |
タラノキ |
科名(日本名) |
ウコギ科 |
日本語別名 |
ウドモドキ、マンシュウダラ、オニダラ、タランボ |
漢名 |
楤木(ソウボク,sŏngmù) |
科名(漢名) |
五加(ゴカ,wŭjiā)科 |
漢語別名 |
遼東楤木(リョウトウソウボク,liaodongsongmu)、刺龍牙(シリョウガ,cilongya)、刺老鴉(シロウア,cilaoya) |
英名 |
Aralia, Angelica tree,Hercules'-club,Devil's-walking-stick
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2024/04/07 薬用植物園 |
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2005/04/26 学内 |
2005/05/28 |
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2022/05/03 小平市玉川上水緑地 |
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2016/08/19 蓼科山 (女神湖) |
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2005/09/23 昭和公園 |
2005/10/30 学内 |
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辨 |
タラノキ属 Aralia(楤木 sŏngmù 屬)の植物には、アジア・南北アメリカに約40-70種がある。
A. apioides(芹葉龍眼獨活・牛角七・黑羌活・肉五加) 四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅲ/1300
A. armata(虎刺楤木・野楤頭・鷹不撲)
江西・兩廣・雲貴・インドシナ・ヒマラヤ産 『中国本草図録』Ⅹ/4766
A. atropurpurea(A.dumetorum;濃紫龍眼獨活・叢林楤木・白九股牛)
四川・雲南・チベット産 『全国中草葯匯編』下/197-198
ウラジロタラノキ A. bipinnata(臺灣楤木) 臺灣産
A. chinensis(楤木・虎陽刺・海桐皮) 『中国本草図録』Ⅰ/0238
華北・陝甘・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・ベトナム・ボルネオ産
var. nuda(黄花楤木・白背葉楤木・狼牙棒) 産地は同上 『雲南の植物Ⅱ』186
マンセンウド A. continentalis(A.cordata var.continentalis;東北土當歸・長白楤木)
朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝西・四川・極東ロシア産 『中国本草図録』Ⅰ/0239
ウド A. cordata(獨活・土當歸・心葉九眼獨活・食用土當歸・食用楤木)
タイワンタラノキ A. decaisneana(臺灣毛楤木・黃毛楤木・鳥不企・大鷹不撲)
臺灣・福建・江西・安徽・兩廣・雲貴産 『中国本草図録』Ⅲ/1301・Ⅵ/208
タラノキ(オダラ・オニダラ) A. elata(A.mandshurica;楤木・遼東楤木・刺龍牙・刺老鴉・虎陽刺)
メダラ var. subinermis
A. fargesii(龍眼獨活) 陝西・四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅴ/2227
ミヤマウド A. glabra
A. henryi(柔毛龍眼獨活・短序九眼獨活) 『全國中草藥匯編 上』p.632
A. kansuensis(甘肅土當歸・九眼獨活) 甘粛産 『中国本草図録』Ⅰ/0240
リュウキュウタラノキ A. ryukyuensis(A.elata var.ryukyuensis) 九州・琉球・臺灣産
シチトウタラノキ var. inermis 伊豆七島産
ナントウタラノキ A. spinifolia(長刺楤木) 臺灣・福建・江西・湖南・兩廣産
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ウコギ科 Araliaceae(五加 wŭjiā 科)については、ウコギ科を見よ。 |
訓 |
『本草和名』桵子に、「和名多良」と。
『倭名類聚抄』に、桵は「和名太良」と、食茱萸は「和名於保太良」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』に、樬木は「タラノキ タロウノキ ダラ防州 タロノキ オニグイ豫州 オニノカナボウ勢州 タロノイゲ和州 タロウウド江州 トリトマラズ オオトリトマラズ サルウド」と。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシアに分布。 |
誌 |
若芽をタラノメと言い、山菜として食う。
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中国では、タラノキ属 Aralia(楤木 sŏngmù 屬)の植物のうち、次のようなものを薬用にする(〇印は正品)。
龍牙楤木:次のものの根皮 『全國中草藥匯編 上』pp.254-255
〇タラノキ A. elata(楤木・遼東楤木)
楤木:次のものの根皮・樹皮 『全国中草葯匯編』上/855-856 『(修訂) 中葯志』V/519
A. armata(虎刺楤木・野楤頭・鷹不撲)
〇A. chinense(楤木)
var. nuda(黄花楤木・白背葉楤木・狼牙棒)
タイワンタラノキ A. decaisneana(鳥不企・大鷹不撲)
九眼獨活:次のものの根莖 『全國中草藥匯編 上』p.632
A. atropurpurea(濃紫龍眼獨活)
〇ウド A. cordata(心葉九眼獨活・食用土當歸)
〇A. henryi(柔毛龍眼獨活・短序九眼獨活)
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正岡子規(1867-1902)の郷里、伊予では、節分に「たらの木に鰯(いわし)の頭さしたるを戸口々々に插むが多けれど柊(ひいらぎ)ばかりさしたるもなきにあらず。それも今は行はるるやいかに」と(『墨汁一滴』1901)。 |
メダラ var. subinermis 2022/04/11 薬用植物園 |
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