しなのき(科木)
学名 |
Tilia japonica |
日本名 |
シナノキ |
科名(日本名) |
アオイ科 |
日本語別名 |
マダノキ、マタノキ、マウダ、マンダ、モウダ |
漢名 |
華東椴(カトウタン,huádōngduàn) |
科名(漢名) |
錦葵(キンキ,jĭnkuí)科 |
漢語別名 |
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英名 |
Japanese linden |
2017/04/28 松本市内 (街路樹) |
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2024/06/20 シミック八ヶ岳薬用植物園 |
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2005/06/21 薬用植物園 |
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2008/06/19 同上 |
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2007/06/20 同上 |
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2009/07/11 京都府立植物園 |
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2009/11/06 京都府立植物園 |
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辨 |
同属異種のセイヨウシナノキ及び菩提樹については、ぼだいじゅ・ボダイジュを見よ。 |
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シナノキ属 Tilia(椴 duàn 屬)の植物には、北半球の温帯に約23-31種がある。
アメリカシナノキ T. americana 北米中東部産
T. amurensis
アムールシナノキ var. amurensis(紫椴・籽椴)
朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江産 『中国本草図録』Ⅴ/2205
チョウセンシナノキ var. koreana(T.rufa)
T. chinensis(華椴・中國椴) 河南・陝甘・湖北・四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅵ/2720
ブンゴボダイジュ var. intonsa(T.intonsa;多毛椴) 九州・四川・貴州・雲南産
フユボダイジュ T. cordata 歐洲・カフカス・中央シベリア産
T. endochrysea(T.croizatii, T.hypoglauca, T.lepidota, T.leptocarya, T.scaenophylla;
白毛椴・湘椴・火索樹・兩廣椴・粉葉椴・建寧椴・鱗毛椴)
浙江・福建・江西・湖南・兩廣産
セイヨウシナノキ(セイヨウボダイジュ) T.× europaea(菩提樹;E.Linden)
T.platyphylla と T.cordata の自然雑種
T. henryana
var. henryana(毛糯米椴) 河南・陝西・兩湖・江西産
var. subglabra(糯米椴) 華東産
タケシマシナノキ T. insularis
T. japonica
シナノキ var. japonica(var.magna;華東椴)
シコクシナノキ(ケナシシナノキ) var. leiocarpa 四国産
ヘラノキ T. kiusiana
T. mandshurica
マンシュウボダイジュ var. mandshurica(T.chugokuensis, T.semicostata;
遼椴・糠椴・椴兵士・大葉椴) 『中国本草図録』Ⅲ/1273
カラボダイジュ var. megaphylla(T.megaphylla;稜果遼椴) 朝鮮・黒龍江産
コウライボダイジュ var.ovalis(T.ovalis;卵果遼椴) 朝鮮・吉林産
ツクシボダイジュ var. rufovillosa(T.rufovillosa)
大分・朝鮮産 絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020)
エチゴボダイジュ var. toriiana
T. maximowicziana
オオバボダイジュ var. maximowicziana 北海道・本州(東北・北陸・関東北部)産
モイワボダイジュ var. yesoana 千島・北海道・本州(東北・中部地方北部)産
ボダイジュ T. miqueliana(T.francheliana;南京椴・白椴)
T. mofungensis(帽峰椴)
モウコシナノキ T. mongolica(蒙椴・小葉椴・白皮椴) 遼寧・内蒙古・華北産
T. oliveri(粉椴・野椴)
T. paucicostata(少脈椴) 河南・陝甘・四川・雲南産 『雲南の植物Ⅰ』116
var. yunnanensis(少脈毛椴・滇少脈椴) 四川・雲南産 『雲南の植物Ⅰ』117
ナツボダイジュ T. platyphyllos(寛葉椴)
T. tuan(T.mofugensis, T.oblongifolia;椴・千層皮・靑科榔・帽峰椴)
ヒエイボダイジュ var. chinensis(毛眼椴) 江蘇・浙江・湖北・四川・貴州産
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アオイ科 Malvaceae(錦葵 jĭnkuí 科)については、アオイ科を見よ。 |
訓 |
「和名ハ其皮ノシナシナスル故謂フナラント云ヒ、又皮色白レバしなハしらノ轉ナリトモ云フト雖モ、元來しなハ「結ブ・縛ル・括クル」ノ意アルあいぬ語ヨリ出デシ者ナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。
和名は、アイヌ語で「結ぶ」を意味するシナに起源すると云う(武田久吉『民俗と植物』)。
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説 |
北海道・本州・四国・九州・山東・安徽・江蘇・浙江に分布。 |
誌 |
樹皮から繊維を取り、古くはシナヌノ(科布・志那布・志奈布)・マダヌノを織った。麻が広まってからはすたれたが、後世でも綱・蓑・馬具などを作った。
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シナノ(科野・信濃,現長野県)という地名は、一説(本居宣長以来)にこのシナノキ・シナヌノに因むと云う。仁科(煮シナ)・更科(晒シナ)などは、シナヌノを作る過程であると云う(『角川日本地名大辞典 20』p.32 参照)。 |
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