辨 |
Camellia sasanqua には、多くの園芸品種があり、本譜には次のものを掲載する。
エニシ 'Enishi'
ハナダイジン 'Hanadaijin'
カンジロウ 'Kanjiro'
セキヨウ 'Sekiyo'
シチフクジン 'Shichihukujin'
カンツバキ(シシガシラ) 'Shishigashira'(C.sasanqua var.fujikoana, C.sasanqua
'Hiemalis', C.× hiemalis) これ自体に多くの品種がある
ショウワノサカエ 'Showa-no-sakae'
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ツバキ属 Camellia(山茶 shānchá 屬)については、ツバキ属を見よ。 |
訓 |
和名は、漢語の山茶花(さんさか,ツバキ)の誤解と、転訛。 |
今日の漢別名に山茶花があるのは、日本の表記の輸入。 |
学名の種小名は、和名から。 |
説 |
日本原産、自然には本州の山口県(北限は萩市附近の山中)・四国の西南・九州・琉球に分布。佐賀県背振山の自然林は、国の天然記念物。
野生種の花色は白、ときに蕾の先端が桃色を帯びるもの、開花後も花弁の先端に桃色が残るものがある。
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関東以西の暖地で栽培されている。広島庄原月貞寺には樹齢千年の古木があったが1972頃枯死。京都詩仙堂には樹齢400年の古木があったが1996枯死。 |
中国では、浙江省を中心に 全国で栽培されており、杭州の茶梅市場はたいへん盛ん。 |
誌 |
サザンカの語の文献上の初見は、一条兼良(1402-1481)の著と伝えられる『尺素往来』。
より古くは、ヤブツバキと区別されずに、つばきの名で呼ばれていたものであろう。 |
江戸時代には、一般にサザンカの栽培が広がり、多くの観賞用品種が作られた。
伊藤伊兵衛『花壇地錦抄』(1695)には52の品種が載る。 |
山茶花の木間見せけり後の月 (蕪村,1716-1783)
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「たきび」(1941)に、「さざんか、さざんか、さいたみち」云々と歌われる。 |
中国では、根・花を山茶花と呼び、薬用にする。 |