もちのき (黐木)
学名 |
Ilex integra |
日本名 |
モチノキ |
科名(日本名) |
モチノキ科 |
日本語別名 |
ナナミノキ |
漢名 |
全緣冬靑(ゼンエントウセイ, quányuán dōngqīng) |
科名(漢名) |
冬靑(トウセイ,dōngqīng)科 |
漢語別名 |
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英名 |
Bird-lime holly |
2016/04/01 埼玉県比企郡川島町 栽培 |
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雄花 |
雌花 |
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2023/11/04 植物多様性センター |
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2009/11/06 京都府立植物園 |
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辨 |
モチノキ科 Aquifoliaceae(冬靑 dōngqīng 科)には、次の1屬がある。
モチノキ属 Ilex(冬靑屬)
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モチノキ属 Ilex(冬靑 dōngqīng 屬)には、世界に約400-600種がある。
I. aculeolata(鼠里冬靑・滿樹星) 浙江・福建・江西・兩湖・兩廣・貴州産 『中国本草図録』Ⅹ/4707
セイヨウヒイラギ(ヒイラギモチ) I. aquifolium(多刺冬靑;E.English holly)
ウスバアリサンソヨゴ I.arisanensis(阿里山冬靑) 臺灣産
タイワンウメモドキ I. asprella(秤星樹・梅葉冬靑・假靑梅・崗梅) 『中国本草図録』Ⅹ/4708
臺灣・福建・浙江・江西・湖南・兩廣・フィリピン産 『全國中草藥匯編 上』pp.438-439
ヒイラギソヨゴ I. bioritsensis(刺葉冬靑) 臺灣(苗栗)・湖北・西南産 『雲南の植物Ⅱ』161
シイモチ I. buergeri(I.subpuberula;短梗冬靑) 山口・愛媛・九州・華東・兩湖・廣西産
ナナミノキ(ナナメノキ) I. chinensis(I.purpurea;冬靑・四季靑)
本州(静岡以西)・四国・九州・臺灣・華東・河南・兩湖・兩廣・雲南産
『全國中草藥匯編 上』pp.268-269 『(修訂) 中葯志』V/62-66
ホソバナナメノキ f. angustifolia
サカキバイヌツゲ I. cochinchinensis(越南冬靑) 臺灣・兩廣・インドシナ産
ヤバネヒイラギモチ(シナヒイラギ・ヒイラギモドキ) I. cornuta
(枸骨・猫兒刺・老虎刺・八角刺)
I. crenata
イヌツゲ var. crenata(I.crenata f.microphylla;齒葉冬靑・波綠冬靑・鈍齒冬靑)
オオバイヌツゲ f. latifolia(I.crenata var.latifolia)
ツクシイヌツゲ var. fukasawana
ハチジョウイヌツゲ var. hachijoensis
ハイイヌツゲ var. radicans(var.paludosa, var.caespitosa)
トカライヌツゲ var. tokarensis
アマミヒイラギモチ I. dimorphophylla 奄美産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
I. ficoidea(榕葉冬靑) 臺灣・華東・兩湖・兩廣・西南・ベトナム産
タイワンモチノキ I. formosana(臺灣冬靑) 臺灣・福建・浙江・江西・湖南・兩廣・西南産
I. geniculata
フウリンウメモドキ var. geniculata 本州(東北南部~中国)・四国・九州産
オクノフウリンウメモドキ var. glabra 北海道(南西部)・本州(東北・北陸)産
I. godajam(傘花冬靑・米碎木・微花冬靑) 湖南・廣西・海南島・雲南産 『雲南の植物Ⅲ』173
『(修訂) 中葯志』V/497
ツゲモチ I. goshiensis(I.hayatana;海島冬靑) 紀伊半島・四国・九州・琉球・臺灣産
I. hainanensis(海南冬靑・山綠茶) 兩廣・貴州産 『中国本草図録』Ⅹ/4709
モチノキ I. integra(冬靑・細葉冬靑・黐樹)
エナシモチノキ var. brachypoda(I.brachypoda)
I. kaushue(I.kudingcha;苦丁茶) 兩湖・兩廣・四川・雲貴産 『中国本草図録』Ⅹ/4710
イヌソヨゴ I. kusanoi(蘭嶼冬靑) 琉球・臺灣産
タラヨウ I. latifolia(大葉冬靑)
ヒメモチ I. leucoclada(I.integra var.leucoclada) 北海道(西南部)・本州(東北・北陸・山陰)産
リュウキュウモチ I. liukiuensis(I.formosae,I.uraiensis;烏萊冬靑) 九州・琉球・臺灣産
ニンドウモチノキ I. lonicerifolia(I.hakkuensis;忍冬葉冬靑) 臺灣産
マツダモチノキ var. matsudae(I.matsudae)
ヒロハタマミズキ I. macrocarpa(I.poneantha;大果冬靑) 『雲南の植物Ⅱ』160
奄美・華東・河南・陝西・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産
絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
アオハダ I. macropoda(大柄冬靑)
ケナシアオハダ var. pseudomacropoda
ムニンイヌツゲ I. matanoana(I.bonincola) 小笠原産
I. maximowicziana(倒卵葉冬靑)
ナガバイヌツゲ(ヒイランイヌツゲ) var. maximowicziana(I.lilongshanensis;
倒卵葉冬靑) 琉球・臺灣産
ムッチャガラ(シマイヌツゲ) var. kanehirae(I.crenata var.mutchagara,I.kanehirae,
I.fosbergiana,I.mutchagara,I.triflora var.kanehirae) 琉球・臺灣産
シマモチ I. mertensii 小笠原産
ムニンモチ var. beecheyi(I. beecheyi) 小笠原産 絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020)
タマミズキ I. micrococca(小果冬靑) 本州(静岡以西)・四国・九州・臺灣・華東・兩湖・兩廣・雲貴産
f. pilosa(毛梗細果冬靑) 『雲南の植物Ⅲ』173・『中国本草図録』Ⅷ/3683
兩湖・兩廣・西南・ベトナム産
ミヤマウメモドキ I. nipponica(I.spathulata, I.serrata var.nipponica)
本州(東北~中国の日本海側)産
アメリカヒイラギモチ I. opaca(I.quercifolia;美國冬靑;E.American holly)
マテチャ(マテ・パラグアイチャノキ) I. paraguariensis(巴拉圭冬靑)
コバノマテチャ var. angustifolia f. parvifolia
ソヨゴ I. pedunculosa(具柄冬靑)
タカネソヨゴ var. senjoensis
アツバモチ I. percoriacea
ペルニーヒイラギ I. pernyi(猫兒刺)
I. perryana(皺葉構骨) 雲南・チベット・ミャンマー産 『雲南の植物Ⅰ』165
I. polyneura(多脈冬靑) 四川・貴州産 『雲南の植物Ⅱ』161
ケイヌツゲ I. pubescens(毛冬靑・茶葉冬靑) 『中国本草図録』Ⅹ/4711
臺灣・華東・兩廣・貴州産 『全國中草藥匯編 上』pp.194-195
var. glaber(禿毛冬靑)『全國中草藥匯編 上』p.195
var. keangsiensis(廣西毛冬靑) 廣西・雲貴産
ララサンモチノキ I. rarasanensis(拉拉山冬靑) 臺灣産
クロガネモチ I. rotunda(鐵冬靑・救必應)
var. microcarpa(細果冬靑) 『中国本草図録』Ⅵ/2711
I. rugosa(太平山冬靑)
ツルツゲ(エゾツルツゲ・マルバツルツゲ) var. rugosa(var.hondoensis,var.vegeta)
北海道・本州(中部以北)・樺太・ハバロフスク産
ホソバツルツゲ var. stenophylla 本州(東北南部~紀伊半島)・四国産
ウメモドキ I. serrata(落霜紅)
キミノウメモドキ f. xanthocarpa
イヌウメモドキ f. argutidens
I. sugerokii(太平山冬靑)
アカミノイヌツゲ var. brevipedunculata 北海道・本州(東北・中部地方中北部)産
クロソヨゴ(ウシカバ) var. sugerokii(var.longipedunculata)
本州(山梨以西)・四国産
スズキモチ I. suzukii(鈴木冬靑) 臺灣産
ロクジョウソヨゴ I. taisanensis(I.taiwanensis)
I.sugerokii var.brevipedunculata と同種とする説と否とする説がある
ツギタカモチノキ I. tugitakayamensis(雪山冬靑) 臺灣産
オオシイバモチ I. warburgii 琉球・臺灣・フィリピン産
『植物智』によれば I.ficoidea(榕葉冬靑)のシノニム
I. yunnanensis(雲南冬靑) 陝甘・湖北・廣西・四川・雲南・チベット・ミャンマー産
ニイタカツゲ var. parviloia(小葉雲南冬靑) 臺灣産
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訓 |
「和名黐ノ樹ハ此樹皮ヨリとりもち(黐膠)ヲ製シ得ルヲ以テ名ク」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)32に、冬靑は「モチノキ」と。 |
説 |
本州(東北地方南部以西)・四国・九州・琉球・朝鮮(南部)・臺灣・浙江に分布。 |
誌 |
樹皮を水につけて腐らせ、臼で搗いてゴム状の黐を採る。主産地は和歌山・三重・奈良三県。
モチノキ属のほとんどの種から黐が採れるが、モチノキから採るものを本黐、タラヨウ・イヌツゲから採るものを青黐と呼んで区別する。 |
常緑で剪定しやすいので、しばしば庭木に用いる。
『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「柊棈(もちのき) 葉 黒ミありて、冬 見事。実ハ秋赤し」と。
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