たらよう (多羅葉) 

学名  Ilex latifolia
日本名  タラヨウ
科名(日本名)  モチノキ科
  日本語別名  モンツキシバ、エカキシバ、ハガキノキ
漢名  大葉冬靑(タイヨウトウセイ, dàyè dōngqīng)
科名(漢名)  冬靑(トウセイ,dōngqīng)科
  漢語別名  波羅樹(ハラジュ,boluoshu)、苦丁茶
英名  
2004/09/07 跡見学園女子大学新座キャンパス
雌株  2006/05/01 同上
雄株  2006/05/05 神代植物公園
  雄株には、雄花と両性花がある。雄花には4本の雄蕊があり、両性花には4本の雄蕊と卵状の子房がある。
2005/05/26 学内
2005/12/05 学内

2023/12/02 神代植物公園 
2006/02/19 薬用植物園
 モチノキ属 Ilex(冬靑 dōngqīng 屬)の植物については、モチノキ属を見よ。
 「和名ハ此廣闊ナル葉ヲ彼ノ經文ヲ掻記スル貝多羅樹(しゅろ科ノ Borassus flabelliformis Murr.)ノ葉ニ比セシ者ナ」(『牧野日本植物図鑑』)。モンツキシバ・エカキシバ・ハガキノキの名も同じ理由から。
 本州(静岡以西)・四国・九州・華東に分布。
 モチノキ属のほとんどの種から黐(もち)が採れるが、モチノキから採るものを本黐、タラヨウ・イヌツゲから採るものを青黐と呼んで区別する。
 葉を取って、その裏に釘などの硬いもので傷をつけると、その部分がすぐに黒変し、永く痕が残るので、子供たちが絵を書いたり字を書いたりして遊んだという。
 平成16年(2004)9月13日、学内のタラヨウの葉を取り、試してみた。
 に釘で「アトミの花便り」と書いたところ、のようになった。
 以下は、その後の様子である。
 
(部屋の片隅の棚の上に置いてあるだけで、特別な保存はしていない。)

同年9月17日 すなわち4日後

同年12月27日 すなわち3ヶ月後

平成18年(2006)5月15日
     すなわち1年8ヶ月後

平成19年(2007)12月25日
     すなわち3年3ヶ月後
令和4年(2022)12月8日
     すなわち18年3ヶ月後
 以上のように、
1.  タラヨウの葉は、木から取り外しても萎れたり腐ったりしない。かつ、乾燥しても形が崩れない。
2.  つけられた紋様は、永らく消えない。
ので、ちょっとした情報の保存には、確かに有効。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「たらやう 葉、ゆつりはの様にて、各別あつし」と。
 ハガキノキの名は、それほど古くからあるものではないという。また、これを本当に葉書の用に充てたものかどうかは、筆者は未確認。
 タラヨウは、ハガキノキという呼び名にちなんで、平成9年(1997)「郵便局の木」に指定された。
中央郵便局(東京駅丸の内南口前)
玄関脇に植えられたタラヨウ。

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