めぎ (目木)
学名 Berberis thunbergii 日本名 メギ 科名(日本名) メギ科 日本語別名 コトリトマラズ、ヨロイドオシ 漢名 日本小蘗(ﾆﾎﾝｼｮｳﾊｸ, rìběn xiăobò) 科名(漢名) 小蘗(ｼｮｳﾊｸ,xiăobò)科 漢語別名 刺蘗、騰小蘗 英名 Japanese barberry
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| 辨 | メギ科 Berberidaceae(小蘗 xiăobò 科)には、北半球の温帯を中心に15属 約650種がある。 ナンブソウ属 Achlys(裸花草屬) 北米･東亜の温帯に3種 A. californica ナンブソウ A. japonica 日本(北海道･本州北部)産 A. triphylla 北米(西部)産 メギ属 Berberis(小蘗屬) 約600種 Bongardia 2種 B. chrysogonum ヨーロッパ南東部･トルコ･シリア乃至パキスタン西部に分布 B. margalla パキスタン産 ルイヨウボタン属 Caulophyllum(紅毛七屬) イヌエンゴサク属 Leontice に含めることがある サンカヨウ属 Diphylleia(山荷葉屬) ミヤオソウ属 Dysosma(鬼臼屬)中国に数種 イカリソウ属 Epimedium(淫羊藿屬) 約30種 イヌエンゴサク属 Gymnospermium(牡丹草屬) 地中海地方乃至東アジアに8種 G. altaicum(Leontice altaica;阿爾泰牡丹草) G. microrrhynchum(Leontice microrrhyncha;牡丹草) 朝鮮･中国(東北)産 G. kiangnanense(Leontice kiangnanensis;江南牡丹草) 中国(浙江･安徽)産 タツタソウ属 Jeffersonia(二葉鮮黃連屬) アジア北東部･北米東部に2種 アメリカタツタソウ J. diphylla タツタソウ(イトマキソウ) J. dubia(J.manchuriensis;鮮黄連･細辛幌子･毛黄連) Leontice(嚢果草屬) 地中海地方乃至中央アジアに3種 L. incerta(L.vesicaria;嚢果草) L. leontopetalum(L.brevibracteata) ナンテン属 Nandina(南天竹屬) 1種 Plagiorhegma(鮮黃連屬) 1種 P. dubium(Jeffersonia dubia, J.manchuriensis;鮮黃連) アメリカミヤオソウ属 Podophyllum(北美桃兒七屬) 北アメリカに1種 トガクシソウ属 Ranzania 1属1種 トガクシソウ(トガクシショウマ) R. japonica モモイロミヤオソウ属 Sinopodophyllun(桃兒七屬) Vancouveria 北アメリカに3種 |
| メギ属 Berberis(小蘗 xiăobò 屬)には、広く世界に約600種がある。 B. aemulans(峨眉小蘗) 四川産 B. aggregata(堆花小蘗) 甘肅･四川産『中国本草図録』Ⅷ/3575 ヒロハヘビノボラズ B. amurensis(var.japonica; 黃蘆木･大葉小蘗･東北小蘗･黑水小蘗･阿穆爾小蘗) 北海道･本州･四国･九州･朝鮮･河北･内蒙古･東北･山東･山西･寧夏･ロシア産 『全國中草藥匯編 上』pp.98-100･『中国本草図録』Ⅵ/2601 B. bealei(Mahonia bealei;闊葉十大功勞) 『中国本草図録』Ⅳ/1634 タイワンヘビノボラズ B. brevisepala(紅枝小蘗･臺灣蘗木) 臺灣産 B. candidula(粉葉小蘗) 湖北･四川産 『中国本草図録』Ⅶ/3105 B. chingii(安徽小蘗･鷄脚刺･木黄連) 安徽･江西産 『中国本草図録』Ⅲ/1130 B. dasystachya(直穗小蘗･直序小蘗) 河北･河南･陝甘･靑海･湖北産 『中国本草図録』Ⅴ/2095 B. dictyophylla(刺紅珠･阿脈小蘗) 四川･雲南産『雲南の植物Ⅰ』76・『中国本草図録』Ⅴ/2096 B. dielsiana(首陽小蘗･第氏小蘗･黄蘗刺) 山西･河南･陝西産 B. fallax(假小蘗) 雲南産 『中国本草図録』Ⅴ/2097 B. feddeana(異長穗小蘗･費得小蘗) 陝甘･青海･湖北･四川産 『中国本草図録』Ⅵ/2602 ホソバヒイラギナンテン B. fortunei(Mahonia fortunei;十大功勞･狹葉十大功勞) B. francisci-ferdinandi(大黄蘗･三顆針) 山西･甘肅･四川･チベット産 『中国本草図録』Ⅷ/3576 B. ganpinensis(Mahonia ganpinensis;甘平十大功勞･刺黃柏) 湖北･四川･貴州産 B. gracilipes(Mahonia gracilipes;細梗十大功勞･峨嵋刺黃連) 四川･雲南産 B. heteropoda(黑果小蘗) モンゴリア･中央アジア産 『中国本草図録』Ⅶ/3106 B. jamesiana(川滇小蘗) 四川･雲南･チベット産 『雲南の植物Ⅰ』77･『中国本草図録』Ⅶ/3107 var. leucocarpa(白果小蘗) 『雲南の植物Ⅱ』64 ヒイラギナンテン B. japonica(Mahonia japonica;十大功勞･華南十大功勞･黃柏) 『中国本草図録』Ⅰ/0065 B. julianae(九連小蘗･豪猪刺) 陝甘･江西･湖北･四川･貴州･雲南産 『全國中草藥匯編 上』pp.98-100･『中国本草図録』Ⅵ/2603 クロミノヘビノボラズ B. kawakamii(臺灣小蘗･川上氏小蘗) 臺灣産 B. minutiflora(小花小蘗) 四川･雲南･チベット産 『雲南の植物Ⅰ』76 ニイタカヘビノボラズ B. morrisonensis(玉山小蘗･阿里小蘗) 臺灣産 B. napaulensis(Mahonia flavida, M.mairei;黃十大功勞･滇刺黄柏･滇東十大功勞) 陝西･貴州･雲南産 『雲南の植物Ⅱ』67･『中国本草図録』Ⅴ/2099 ニイタカヒイラギナンテン B. oiwakensis(Mahonia lomariifolia, M.oiwakensis, M.morrisonensis;阿里山十大功勞･長小葉十大功勞･追分十大功勞･ 玉山小蘗･阿里小蘗) 臺灣･西南･チベット産 『中国本草図録』Ⅷ/3579 B. pallens(淡色小蘗) 雲南産 『中国本草図録』Ⅷ/3577 B. poiretii(細葉小蘗･波氏小蘗･三顆針･針雀･酸狗奶子)華北･東北･モンゴリア･ロシア産 『全國中草藥匯編 上』pp.98-100･『中国本草図録』Ⅱ/0561･『中草薬現代研究』Ⅰp.78 テンジクメギ(テンガイメギ) B. pruinosa(粉葉小蘗･大黄連刺) 『雲南の植物Ⅱ』65･『中国本草図録』Ⅱ/0562 ホソバテンジクメギ(ホソバアカメギ) B. sanguinea(地紅小蘗) 日本で観賞用に栽培 B. shenii(Mahonia shenii;光葉十大功勞･北功十大功勞･木黄連) 廣東産 『中国本草図録』Ⅹ/4591 B. sheridaniana(Mahonia sheridaniana, B.fargesii;大葉刺黃柏) 湖北･四川･貴州産 B. sibirica(刺葉小蘗･西北小蘗) 華北･東北･モンゴリア･シベリア産 『中国本草図録』Ⅸ/4127 ヘビノボラズ(トリトマラズ) B. sieboldii B. silva-taroucana(華西小蘗) 甘肅･湖北･四川･雲南産『中国本草図録』Ⅸ/4128 B. stiebritziana(西南小蘗) 『中国本草図録』Ⅷ/3578 B. thibetica(藏小蘗) 『雲南の植物Ⅰ』76 メギ B. thunbergii (刺檗･日本小蘗･騰小蘗) B. tsarongensis(察瓦龍小蘗･金果小蘗) 雲南･チベット産 『雲南の植物Ⅰ』78 オオバメギ B. tschonoskyana 本州(関東以西)･四国･九州産 B. ulicina(條葉小蘗) パキスタン北部･カシミール･チベット産 『週刊朝日百科 植物の世界』8-312 B. veitchii(B.gagnepainii var. lanceifolia;藍果小蘗) セイヨウメギ B. vulgaris(歐洲小蘗) B. willeana(洱源小蘗)『雲南の植物Ⅰ』79 B. wilsoniae(金花小蘗･小黃連刺)『全國中草藥匯編 上』pp.98-100･『中国本草図録』Ⅱ/0563 陝甘･江西･湖北･四川･貴州･雲南産 『雲南の植物Ⅱ』65 ヒロハコガネメギ var. latior(var.guhtzunica;小黃連刺) 『雲南の植物Ⅱ』66 |
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| 訓 | 和名は「目木」、材を煎じて目薬に用いたことから。 |
| 小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)31に、小蘗は「メギ ヨロヒドウシ メグイ雲州 コガネエンジユ紀州 ニツケイイバラ能州 コトリスハラズ勢州」、同32に、伏牛花は「ヘビノボラズ バライズ淡州 サハイバラ江州 ホネスイイバラ イヌノシリツキ共同上」、虎刺は「俗名コトリトマラズ テクサリイバラ」と。 | |
| 漢名の檗･蘗は同音同義、キハダ。 小蘗(小檗)とは、それに対して小型の意。ともに黄色の染料を採ることから。 |
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| 説 | 本州(中部以西)･四国･九州に分布。中国では広く栽培する。 |
| メギ属の植物は、根･茎に ベルベリン berberine などのアルカロイドを含む。 | |
| 誌 | 中国では、メギ属の植物、ことには B. julianae (九連小蘗･他豪猪刺) B. wilsonae (金花小蘗･小黃連刺) B. poiretii(細葉小蘗) ヒロハヘビノボラズ B. amurensis (黃蘆木･大葉小蘗) の根･根皮･茎･茎皮を、小蘗(ｼｮｳﾊｸ, xiăobò)･三顆針(ｻﾝｶｼﾝ,sānkēzhēn)･刺黃連(ｼｺｳﾚﾝ, cìhuánglián,しおうれん)と呼び 薬用にする。 その他の同属種も、ベルベリンの含有量に差はあっても、いずれも同様に用いる。 『全國中草藥匯編 上』pp.98-100 |
| 日本では、メギの茎を小蘗(しょうばく)と呼び、薬用(苦味健胃薬)にする。 また、葉･茎を煎じて、充血･炎症の目薬とした。 |
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