辨 |
果実・葉の色の変化により、多くの品種がある。 |
ナンテン属 Nandina(南天竹 nántiānzhú 屬)は、1属1種。 |
なお、ヒイラギナンテンは別属別種。 |
メギ科 Berberidaceae(小蘗 xiăobò 科)については、メギ科を見よ。 |
訓 |
和名ナンテンは、漢名南天竹から。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)32に、南燭は「ナンテン ナツテン京 ランテン上総 三葉和方書」と。 |
説 |
本州(中部以西)・四国・九州・華東・山東・陝西・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南に分布。ただし古くから栽培されてきた植物なので、日本のものは自生品か栽培品の逸出したものかは不明と言う。 |
日本では藤原定家『名月記』に初見。 |
ヨーロッパには、1804年ころイギリスに渡った。 |
誌 |
中国では、根・莖・果を薬用にする。 『全国中草葯匯編』上/580
〔果実は日本では南天実(ナンテンジツ)、中国では天竺子(テンジクシ,tianzhuzi)と呼ぶ。〕 |
日本では、毒性の故か不浄除けに用い、厠の側に植えたほか、この葉で手を清め南天手水と称した。
また、ナンテンの音が難転に通じるので 縁起物として扱い、正月飾りなどに用いる。 |
『花壇地錦抄』(1695)巻三「実秋色付て見事成るひ」に、「南天 通。本草綱目ニ・・・今ハ何国ニも多クして、手水鉢の近所、大形雪隠のあたりに植て朝夕目近物なれバ、くわしくいふもくどくどし。しかし唐(から)南天といひて、近年珍敷(めづらしき)種(たね)あり。いかんとなれバ、木のしかミてちいさきに、よく実なりて見事也」と。 |