辨 |
キイチゴ属 Rubus(懸鉤子 xuángōuzĭ 屬)の植物については、キイチゴ属を見よ。 |
訓 |
「和名草苺ハ草ニ生ルいちごノ意、早せ苺ハ他ヨリハ早期ニ熟スルいちごノ意、罐子苺、鍋苺ハ其實ノ形狀ニ基ヅキシ名ニシテ共ニ其中央空洞ヲ成セル果實ヲ倒置セバ罐子或ハ鍋ノ形ヲ呈スレバナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
『本草和名』蓬蘽に、「和名以知古」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』蓬蘽に、「クサイチゴ ヤブイチゴ ワセイチゴ ニナヘイチゴ クハンスイチゴ筑前 ホソイチゴ肥前 ヲバイチゴ播州 ナベイチゴ豫州」と。 |
漢名蓬蘽(ホウルイ, pénglěi)は、繁茂するようすが「蓬蓬蘽蘽(ぼうぼうとして、幾重にも重なって)」としていることから(本草綱目)。 |
説 |
本州・四国・九州・朝鮮・臺灣・河南・華東・廣東に分布。
実は赤く熟し、食える。 |
誌 |
中国では、根・葉を刺菠(シハ,cìbō)・三月藨(サンゲツヒョウ,sānyuèpào)と呼び、薬用にする。『全國中草藥匯編 上』p.29 |
『万葉集』に、「いちし」と記される植物は、諸説があるが、一にクサイチゴ、またはギシギシ、エゴノキなど。 |