辨 |
DNA解析では'御衣黄'と違いが検出されず、相互に枝変りの関係にあるのであろうという(多摩森林科学園)。 |
サトザクラ Cerasus Sato-zakura Group については、サトザクラを見よ。
サクラ属 Cerasus(櫻 yīng 屬)については、サクラ属を見よ。 |
訓 |
品種名は、日本では18世紀以来栽培するショウガ科のウコンにちなむ。
このサクラの花の色を鬱金色に見立てたことから。(下欄に見る通り、あまり似ていないが。) |
ショウガ科のウコンの根から取る黄色色素クルクミンは、色が美しい上に染色が容易であり、古来優秀な黄色染料であった。その色名は、和名は鬱金色(うこんいろ)、漢名は金黃色(キンコウショク,jīnhuángsè)、英名は Golden yellow。 |
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説 |
開いた花は、そののち日時をかけて次第に桜本来のピンク色に染ってゆく。 |
誌 |
鬱金の名は、秋里籬島軒『都名所図会』(1780)に 御室仁和寺の名桜の一として挙げられている(山田孝雄『桜史』)。
そのほか、江戸時代に「黄桜」「黄金桜」「浅黄桜」と呼んだサクラは、ウコンであろうという(勝木俊雄『日本の桜』)。 |
いやはてに鬱金ざくらのかなしみのちりそめぬれば五月はきたる
あひびきの朝な夕なにちりそめし鬱金ざくらの花ならなくに
(北原白秋『桐の花』1913)
三木露風「去りゆく五月の詩」(1909,『廃園』所収)に歌う、「我が廢園の奧」の「苔古(ふ)れる池水の上」に「散り落つる鬱紺の花」は、サトザクラ '鬱金'。
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