にくずく (肉豆蔲) 

学名  Myristica fragrans
日本名  ニクズク
科名(日本名)  ニクズク科
  日本語別名  シシズク
漢名  肉豆蔲(ニクトウコウ,ròudòukòu,にくづく)
科名(漢名)  肉豆蔲(ニクトウコウ,ròudòukòu,にくづく)科
  漢語別名  迦拘勒、肉果、玉果
英名  Nutmeg
写真は『中国本草図録』Ⅰ/0076・『週刊朝日百科 植物の世界』9-99
 ニクズク科 Myristicaceae(肉豆蔲 ròudòukòu 科)には、世界の熱帯に約21属520種がある。

   Horsfieldia(風吹楠屬・假玉果屬)
 インド・東南アジア・ニューギニア・ミクロネシアに約100種
     H. glabra(風吹楠)
     H. hainanensis(海南風吹楠・假玉果)

   Knema(紅光樹屬・擬肉豆蔲屬)
東南アジアに約90種
     K.furfuracea(紅光樹)
     K. globularia(小葉紅光樹)
     K. pierrei(擬肉豆蔲)

   ニクズク属 Myristica(肉豆蔲屬) 
    
 ニクズク属 Myristica(肉豆蔲 ròudòukòu 屬)には、インド・東南アジア・オーストラリア北東部に約150-170種がある。

  M. argentea(長形肉豆蔲;E.Macassar nutmeg,Papua nutmeg) ニューギニア産
  M. ceylanica
    コウトウニクズク var. cagayanensis(M.cagayanensis;臺灣肉豆蔲・蘭嶼肉豆蔲)
  M. elliptica
    アンタオニクズク var.simiarum(M.simiarum;菲律賓肉豆蔲)
フィリピン産
  ニクズク M. fragrans(肉豆蔲;E.Nutmeg)
        
『中国本草図録』Ⅰ/0076・『週刊朝日百科 植物の世界』9-99
  M. malabarica(孟買肉豆蔲;Bombay nutmeg)
インド・バングラデシュ産
  M. yunnanensis(雲南肉豆蔲)
雲南・タイ産 
    
 漢名を豆蔲(トウコウ,dòukòu,づく)と呼ぶものについては、ビャクズクを見よ。
 インドネシアのモルッカ諸島 Moluccas(馬魯古群島)原産。臺灣・廣東・雲南などから、広く世界の熱帯で栽培する。日本には1848長崎に入ったが、現在ではまったく栽培されていない。
 チョウジとニクズクはモルッカ諸島の特産品であり、16世紀にはポルトガル、17世紀にはオランダによりヨーロッパ運ばれた。18世紀以降、アフリカなど各地で栽培されるようになって、今日に至る。 
 中国では、仮種皮を除いた種仁を肉豆蔲(ニクトウコウ,ròudòukòu,にくづく,E.nutmeg)と呼び、仮種皮を肉豆蔲衣(肉豆蔲花・玉果花,E.mace)と呼び、ともに古来香辛料・薬用として著名。『中薬志Ⅱ』pp.120-122 『(修訂) 中葯志』III/339-342 『全国中草葯匯編』下/247-248 

 日本では、生薬ニクズクは ニクズクの種子で、通例、種皮を除いたものである(第十八改正日本薬局方)。 



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