辨 |
ヒアシンス属 Hyacinthus(風信子 fēngxīnzĭ 屬)には、3種がある。
H. litwinowii 中央アジア産
ヒアシンス H. orientalis(風信子)『週刊朝日百科 植物の世界』10-37
subsp. chionophilus
H. transcaspicus 中央アジア産
今日の栽培品種は、H.orientalis の改良品。 |
キジカクシ科(クサスギカズラ科) Asparagaceae(天門冬 tiānméndōng 科)については、キジカクシ科を見よ。 |
訓 |
学名・英名は、ギリシア神話に出てくるスパルタの美少年ヒュアキントス Hyacinthus にちなむ。ヒュアキントスはアポロンに愛せられたが、アポロンが投げた円盤にあたって死んだ。そのときに流れた血から赤い花が生え、それをヒュアキントスと呼んだという。
(ただし、それはヒエンソウ・グラジオラス・アイリスなどと想像されており、このヒアシンスではないらしい。) |
漢名の風信子は、明治時代の日本における 英名の音写といい、飛信子とも書かれたという。 |
説 |
地中海沿岸(一説に小アジア)原産、16世紀にオランダに入り園芸化された。18世紀ヨーロッパにはヒヤシンス熱が吹き荒れ、オランダではアドミラル・リーフケンという品種の球根が、ひとつ2万ドルしたという。
日本には1863年に渡来。 |
誌 |
ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫ひそめし日
水盤の水にひたれるヒヤシンスほのかに咲きて物思はする
(北原白秋『桐の花』1913)
そう言えば、1950年代東京では、家でも学校でもヒヤシンスの水耕栽培が盛んでした。
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