辨 |
今日グラジオラスと総称する花卉は、
G. cardinalis
G. dalenii 『週刊朝日百科 植物の世界』9-313
G. oppositiflorus
G. saundersii
などを交雑して作りだした園芸品種。 |
トウショウブ属 Gladiolus(唐菖蒲 tángchāngpú 屬)には、アフリカ・マダガスカル・地中海地方・南西アジアに約275種がある。
G. italicus ヨーロッパ南部・トルコ西部乃至アフガニスタンに分布。『週刊朝日百科 植物の世界』9-315
|
アヤメ科 Iridaceae(鳶尾 yuānwěi 科)については、アヤメ科を見よ。 |
訓 |
属名は「小さな剣」。 |
説 |
16世紀中葉にイギリスで初めて記録され、17世紀中頃からヨーロッパで品種改良が進んだ。
日本には、江戸時代にオランダ船によりトウショウブ・オランダアヤメと呼ばれた品種が入ったが、近代品種が導入されたのは明治初期。 |
誌 |
ギリシア神話に出てくるスパルタの美少年ヒュアキントス Hyacinthus は、アポロンに愛せられたが、アポロンが投げた円盤にあたって死んだ。そのときに流れた血から赤い花が生え、それをヒュアキントスと呼んだという。その花は、ヒエンソウ・グラジオラス・アイリスなどと想像されている。 |
マスカーニ(1863-1945)作曲のオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』(1888)の中で、ローラは次のように歌って 好きな男をジャッジョーロの花にたとえる。
天国には天使が千人もいると言ったって、
ジャッジョーロの花よ、
おまえみたいにきれいなのは、ほかにない。 |
このジャッジョーロ giaggiolo は、イタリア語でグラジオラスやアイリスの仲間指す。 |