ちゃんちん (香椿)

学名  Toona sinensis(Cedrela sinensis)
日本名  チャンチン
科名(日本名)  センダン科
  日本語別名  
漢名  香椿(コウチン,xiangchun)
科名(漢名)  楝(レン,lian)科
  漢語別名  椿・椿樹、紅椿、白椿、猪椿、春陽樹、春芽樹・春菜樹、香鈴子
英名  Chinese cedrela
2008/06/06 名古屋市東山植物園
 『中国本草図録』Ⅹ/4685参照

 チャンチン属 Toona(香椿屬)には、熱帯アジアに次のようなものがある。
   T. ciliata(紅椿)
『雲南の植物Ⅲ』195
     var. pubescens(毛紅椿)
 『雲南の植物Ⅱ』174
   T. microcarpa(小果香椿)
   チャンチン T. sinensis(香椿)
   T. sureni(紅楝子・紅椿)
   トーナノキ
(インドチャンチン・インドマホガニー) T. toona インド・ビルマに分布

 熱帯アメリカに分布するケドレラ属 Cedrela(洋椿屬)と併せて、広義のチャンチン属 Cedrela(香椿屬)として扱うことがある。 
 センダン科 MELIACEAE(楝科)については、センダンを見よ。
 和名は、「香椿の中国音ひゃんちんから転じたもの」という(牧野)。香椿の北京音はシャンチュンであるが、ヒャンチンはどこの音であろうか。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)31椿に、「タマツバキ古名河州 キヤンチン ヒヤンチン チヤンチン共同上 チヤン播州 ライデンボク丹波常州 ナンジヤノキ常州 カミナリノキ勢州 クモヤブリ同上 ユミギ土州 シロハゼ同上 ヒヨケノキ防州 ヒンボク同上 テンツゞキ江州 ホウチン能州」と。
 漢名椿(チン,chun)は、会意兼形声文字。春は音符であると同時に、「がっしりとこもる」意を表す(藤堂『学研漢和大字典』)
 古くは杶
(チュン,chun,『尚書』禹貢)に作り、橁(チュン,chun,『左伝』)に作る。
 椿は、チャンチン或はニワウルシ Ailanthus altissima(椿・臭椿・樗)を指す。
 『本草綱目』に、「香ばしき者を椿と名づけ、臭き者を樗と名づく」と。
 日本では、椿字の本義を知らず、椿を「つばき」と訓み、ツバキにあてる。
 ツバキは春に花を開くことから、木偏に春と書いてツバキを指すものとしたのだろう、したがって「椿(つばき)」は国字である、という。
 中国の、華北乃至東南及び西南に分布。人里に生育する。
 春の芽が赤くて美しいので、庭木として観賞用に栽培する
(黑龍江省以外)
 日本には古く入り、本州・四国・九州で人家に植えている。
 一説に、隠元禅師が黄檗宗万福寺に植えたことに始まる、という。
 材はまっすぐで紅色、中国では建築材とするほか 木彫工芸の材とする。
 嫩芽は香椿頭(コウチントウ,xiangchuntou)と呼んで食用にし、伝統的な晩春の蔬菜である
(日本では、黄檗山万福寺において普茶料理に用いる)
 また、根皮を椿白皮(チンハクヒ,chunbaipi)と呼び、葉を椿葉(チンヨウ,chunye)と呼び、果実を香椿子(コウチンシ,xinagchunzi)と呼び、樹汁を春尖油(シュンセンユ,chunjianyou)と呼び、それぞれ薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.459-463 
 先秦には、椿は長寿の木として空想されていた。
 上古、大椿なる者有り。八千歳を以て春と為し、八千歳を秋と為す。(『荘子』逍遥游篇)
 爾来、椿ひいてはチャンチンは、長寿の象徴として、ひいては家長たる父親の象徴として、詩に詠われ、絵に画かれた。

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