せきしょう (石菖) 

学名  Acorus gramineus
日本名  セキショウ
科名(日本名)  サトイモ科
  日本語別名  イシアヤメ、セキショウブ
漢名  石菖蒲(セキショウホ,shichangpu)
科名(漢名)  天南星(テンナンセイ,tiannanxing)科
  漢語別名  凌水档(リョウスイトウ,lingshuidang。档の字は、正しくは木偏に當)、十香和(ジウコウカ,shixianghe)、水劔草(スイケンソウ,shuijiancao)・水劔章、山菖蒲、藥菖蒲、香菖蒲、九節菖蒲
英名  
2012/04/20 小石川植物園

2007/05/08 小石川植物園

2007/05/22 同上

2006/08/28 明治薬科大学薬草園


 古来中国で作られた 様々な品種がある。今日の中国では、アリスガワゼキショウ var. pusillus(錢蒲)を区別する。
 日本では、マサムネゼキショウ(葉に縦縞)、アリスガワゼキショウ(小型で斑入り)、コウライゼキショウ(より小型)、ビロードゼキショウなどを区別する。
 ただし、『日本の野生植物』は、植物学的にはショウブとセキショウを区別するのみ。
 ショウブ属 Acorus(菖蒲屬)については、ショウブを見よ。
 『群芳譜』は、菖蒲には「数種類がある。(1)池澤に生え、葉は幅が広く、根は高さ23尺のものは、泥蒲である。名は白菖という。(2)谷間に生え、葉は痩せ、根は高さ23尺のものは、水蒲である。名は溪蓀という。(3)水石の間に生え、葉は剣のような筋があって細く、根は節がびっしりあって高さ1尺ちょっとのものは、石菖蒲である。(4)沙や石に栽培するもので、もっと鋭くもっと細く、高さ45寸で、若い葉はニラのようなものは、これも石菖蒲である。(5)また根は長さ23分、葉は長さ1寸ばかり、机の上に置いて観賞に供するものは、錢蒲である。食用・薬用にするには石蒲が上等で、ほかのものは無理だ」という。
 
 東アジアの亜熱帯・暖温帯に分布(日本では中部地方以西・中国では長江流域以南)
 中国では、古くから菖蒲の根を食用・薬用にする。『中薬志Ⅰ』pp.439-444 
 春秋時代、『左伝』僖公30年(B.C.630)に、魯は周の使節を「昌■(ショウサン。菖蒲の根のひたしもの。■は 蜀偏に欠)・白黒(白い煎り米と黒い煎りきび)・形塩(虎の形に整えた盛り塩ないし焼き塩)」で供応したことが見える。
 戦国時代、『楚辞』に見える蓀(ソン,sun)や荃(セン,qian)は、菖蒲であるという。蓀は、重要な香草であり、また君王の尊称として用いられ、引いては二人称の尊称でもあった。
 漢代ころからは、その芳香と薬能から、また剣に似た葉の形から、菖蒲は辟邪の力を持つと考えられ、端午の節(旧暦5月5日)に邪鬼を払う呪物として用いられた。つまり、菖蒲の葉を剣に見立て、ヨモギを鞭に見立てて、蒲剣蓬鞭と称して門に飾り、その花を延年益寿の薬とした。
 また後には、その根を刻んで酒に浸し 菖蒲酒と称して飲むなどした。このようなことから、端午節を蒲節とも呼ぶ。
 宋代以来、「葉に剣脊あり、痩根は密節」のさまを愛で、庭園にまた盆景(盆栽)に植えて、その葉を観賞する。
 今日、「菖蒲」の名で用いられる生薬は、次の三がある。
  セキショウ A.gramineus(石菖蒲) 
最も広く用いる
  ショウブ A.calamus(水菖蒲・臭蒲・白菖蒲・建菖蒲) 
上記に次いで多く用いる
  Anemone altaica(九節菖蒲・菊型雙瓶梅・阿爾泰銀蓮花)の根
    
 一部地域で菖蒲として用いるが、薬効は異なる。イチリンソウ属を見よ。 
 日本では、菖蒲を辟邪の呪物とする習慣を中国から受け継いだ。ただし、菖蒲をショウブと理解したことから、セキショウではなくショウブを用いて今日に至る。


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