おおばぎぼうし (大葉擬宝珠) 

学名  Hosta montana (=H. sieboldiana)
日本名  オオバギボウシ
科名(日本名)  ユリ科
  日本語別名  トウギボウシ、ウリッパ・ウリイ・ウリュウ・ウルイ、コレイ、ヤマガイロッパ・ヤマオンバク
漢名  
科名(漢名)  
  漢語別名  
英名  
2008/07/24 長野県霧ヶ峰
「トウギボウシ・オオバギボウシ HOSTA SIEBOLDIANA」と表示
    2008/07/18 北大植物園
2005/08/01   野川公園自然観察園
2007/02/08 野川公園自然観察園


 ギボウシ属 Hosta(玉簪屬)は、東アジアに約13-20種がある。以下の表は、外来種をふくむ。

   コバギボウシ H. albo-marginata(H. sieboldii)
   バランギボウシ H. alismifolia
   カンザシギボウシ
(イヤギボウシ) H. capitata(var.nakaiana, H.nakaiana)
     サクハナギボウシ var. normalis
   サザナミギボウシ H. crispula
   オタフクギボウシ H. decorata
   ラッパギボウシ H. hippeastrum
   ウラジロギボウシ H. hypoleuca
   ヒュウガギボウシ H. kikutii(var.kikutii)
     ウナヅキギボウシ
(トサノギボウシ) var. caput-avis(var.tosana,
        H.caput-avis, H.tosana)
     スダレギボウシ var. polyneuron
   キヨスミギボウシ H. kiyosumiensis(var.petrophila, H.densa, H.pachyscapa)
   サジギボウシ H. lancifolia
   イワギボウシ H. longipes(var.longipes)
     オヒガンギボウシ var. aequinoctiiantha(H.aequinoctiiantha)
     サイコクイワギボウシ var. caduca
     イズイワギボウシ var. latifolia
     ヒメイワギボウシ var. gracillima
   ミズギボウシ H. longissima(var.longifolia, var.brevifolia)
   ケイリンギボウシ H. minor
朝鮮産
   マルバタマノカンザシ H. plantaginea(var.plantaginea;玉簪・棒玉簪・玉春棒・白鶴花)
     タマノカンザシ var. japonica
   ウバタケギボウシ H. pulchella
   セトウチギボウシ H. phycnophylla
   シコクギボウシ H. shikokiana
   オオバギボウシ
(トウギボウシ) H. sieboldiana(var.gigantea, H.montana,
        H.elata, H.crassifolia)
     トクダマ var. condensata(var.glauca, H.tokudama)
     クロナミギボウシ var. fluctans(H.fluctans)
     レンゲギボウシ var. fortunei(H.fortunei)
     ナメルギボウシ var. glabra
     ハガクレギボウシ var. hypophylla
     コギボウシ var. intermedia
     クロギボウシ var. nigrescens(H.nigrescens)
     タチギボウシ var. rectifolia(H.rectifolia)
   コバギボウシ
(広義) H. sieboldii(H.calliantha, H.albomarginata, H.ibukiensis,
         H.helonioides, H.lancifolia, H.rhodeifolia)
   アキギボウシ H. tardifolia(H.sparsa)
     コガラシギボウシ var. tortifrons
   ナンカイギボウシ H. tardiva(H.cathayana)
   ナガサキギボウシ H. tibae
朝鮮産
   ツシマギボウシ H. tsushimensis
   スジギボウシ H. undulata
     オハツキギボウシ var. erromena
   ムラサキギボウシ H. ventricosa(紫萼・紫玉簪)
   オトメギボウシ H. venusta
朝鮮産
   フギレギボウシ H. yingeri 
 ギボウシ属 Hosta の植物は、変異が多く分類が難しいらしい。
 「ギボウシ属の種は、多型で園芸品種も多く、かつては種が細分されていたが、地理的な変異を考慮すれば、日本の自生種は13種程度に整理される」
(『世界大百科事典』)
 オオバギボウシは、「株全体は生育地によってその大小が大いに違い、別種かと思われるほどである。」
(牧野)
 オオバギボウシとトウギボウシとの異同についても諸説があるらしい。「前川は日本海側のものを本来のトウギボウシ H. sieboldiana とし、太平洋側と北海道西南部のものをオオバギボウシ H. montana として別種としたが、その後オオバギボウシをトウギボウシの地理的亜種、または変種と考える説も出ている。しかしきわめて変異が多く地理的にもわけるのは無理のようで、同一種としたほうがよい」
(佐竹)
 ユリ科 Liliaceae(百合科)については、ユリ科を見よ。
 和名ギボウシ(ギボウシュ)は、若い花序の形(一説に葉の形)を擬宝珠(ぎぼし,ぎぼうしゅ。廊下の欄干の柱などにつける宝珠形の装飾)に擬えて。
 一説に、ぎぼしは ぎぼ(葱穂)の転と(幸田露伴『評釈猿蓑』岩波文庫1937、p.153)
 別名に含まれるガイロッパ・オンバクは、オオバコ
 ウルイは、本種の日光方言。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』13(1806)に、玉簪は「チヤウセンギボウシ トウギボウシ カウライギボウシ ギボウシ筑前 メンバ佐州。児戯ニコノ葉ヲモツテ仮面(メン)トス。故ニ名ク ウルイサウ江戸 ギボウシユ越後」と、また紫鶴・紫萼・紫簪は「ギボウシ サギサウ筑前 アマナ越後 サジギボウ和州 ツチレンゲ羽州 ワスレグサ防州 イハナ勢州」と。国産・外国産の区別を含めて、これらの名で呼ばれたものがどの種に当るのかは不明。
 ギボウシ属は東アジアの特産、この地域の暖帯・温帯・亜寒帯に分布。
 オオバギボウシは、日本の 北海道・東北・東北・関東・中部の山地の太平洋側に分布。
 ヨーロッパへは、1712年ケンペルがコバギボウシを Joksan(玉簪の訛)として紹介。1789年ころヒッペルトはタマノカンザシとムラサキギボウシを紹介。1830年ころトウギボウシ・スジギボウシ・フクリンギボウシが日本から渡る。これより盛んに改良され、流行した。
 嫩葉は茹でて食用とし、またそれを乾燥したものを山乾瓢(やまかんぴょう)と呼び、保存食物として用いた。
 『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、「ぎぼうし 末。花桜いろ」「唐ぎぼうし 初。さくらいろ。葉ハ手つよくして、立花ニつかふ」と。

   擬宝珠の長き花茎
(はなぐき)ひとつ立ち日のゆく道に傾きはじむ
     
(1938,齋藤茂吉『寒雲』)
 


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