からすびしゃく (烏柄杓) 

学名  Pinellia ternata (P. tuberifera)
日本名  カラスビシャク
科名(日本名)  サトイモ科
  日本語別名  ハンゲ(半夏)、ヘソクリ、ヘブス
漢名  半夏(ハンカ,bànxià,はんげ)
科名(漢名)  天南星(テンナンセイ,tiānnánxīng)科
  漢語別名  三葉半夏、半月蓮(ハンゲツレン,banyuelian)、三歩跳(サンポチョウ,sanbutiao)、地八豆(チハチトウ,dibadou)、守田(シュデン,shoutian)、三葉半夏、三葉老、麻玉果・麻芋子、燕子尾、地雷公、老鴉眼、老瓜蒜、狗芋頭
英名  
2006/05/11 神代植物公園

2006/05/22 新座市中野
2009/05/10 入間市宮寺
 ハンゲ属 Pinellia(半夏 bànxià 屬)には、東アジアの暖帯・温帯に約7種がある。
   ニオイハンゲ P. cordata (滴水珠・水半夏・石半夏・心葉半夏)
   P. integrifolia(石蜘蛛)
   ショウヨウハンゲ P. pedatisecta (狗爪半夏・虎掌・掌葉半夏・獨角蓮)
         
『中国雑草原色図鑑』343
   P. peltata(盾葉半夏)
   P. polyphylla(大半夏) 『中国本草図録』Ⅶ/3407
   カラスビシャク P. ternata (半夏・半月蓮・三歩跳・地八豆)
         『中国雑草原色図鑑』344
     シカハンゲ f. angustata (狹葉變型)
     ヤマハンゲ f. subcuspidata
     ムラサキハンゲ f. atropyrpurea
   オオハンゲ P. tripartita(三裂葉半夏) 
 サトイモ科 Araceae(天南星 tiānnánxīng 科)については、サトイモ科を見よ。
 和名は、仏焔包の形から。
 『本草和名』及び『倭名類聚抄』半夏に、「和名保曽久美」と。
 『延喜式』半夏に、「カタホソ」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』半夏に、「カタホソ
延喜式 ホソクミ和名鈔 カラスビシヤク シヤクシサウ ミヅダマ江戸 スゞメノヒシヤク周防 キツネノシヤクシ江州 カラスノコメ同上草津 ヘブス仙台 カブラブス南部 クリコ肥前 ヘヒス奥州 ホゾクリ筑前 ツブロコ佐渡 ヘソクビ備後」と。
 漢名は、李時珍『本草綱目』に、「『礼記月令』に、五月半夏生ず、と。蓋し夏の半ばに当るなり。故に名づく」と。
 北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南 『全國中草藥匯編 上』pp.229-230に分布。
 地下に、直径1-2cmの球形の塊茎を持つ。
 中国では、塊茎を半夏(ハンカ,bànxià,はんげ)と呼び薬用にする。地方によりショウヨウハンゲ P. pedatisecta(掌葉半夏)の塊茎を、半夏として用いる。『中薬志Ⅰ』pp.118-121 『全國中草藥匯編 上』pp.229-230
 日本では、生薬ハンゲは カラスビシャクのコルク層を除いた塊茎である(第十八改正日本薬局方)。 
 『礼記』「月令」五月に、「半夏 生じ、木菫(ぼくきん。ムクゲ)(はなさ)く」と。

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