ははこぐさ (母子草) 

学名  Gnaphalium affine (=G. multiceps)
日本名  ハハコグサ
科名(日本名)  キク科
  日本語別名  ホオコグサ・ハウコグサ、ゴギョウ・オギョウ、モチヨモギ・モチクサ、キバナグサ、シリツマリグサ、トノサマヨモギ、カラスノオキュウ、チチクサ
漢名  鼠麴草(ソキクソウ,shuqucao)
科名(漢名)  菊(キク,ju)科
  漢語別名  佛耳草(ブツジソウ,foercao)、鼠耳、爪老鼠(ソウロウソ,zhualaoshu)、淸明菜(セイメイサイ,qingmingcai)、田艾
英名  Cudweed

2006/12/14 神代植物公園
2009/04/16 入間市宮寺
2007/04/19 薬用植物園
2007/04/29 調布市

 ハハコグサ属 Gnaphalium(鼠麴草屬)では、東アジアには次のようなものがある。
   G. adnatum (寛葉鼠麴草・老鷄綿・地膏藥) 『中国本草図録』Ⅷ/3882
   ハハコグサ G. affine (G. multiceps;鼠麴草)
『中国雑草原色図鑑』252
   G. baicalense(貝加爾鼠麴草) 『中国本草図録』Ⅸ/4371
   アキノハハコグサ G. hypoleucum (秋鼠麴草・翻白鼠麴草・白頭風・火草・天水蟻草)

        『中国本草図録』Ⅵ/2888・
『中国雑草原色図鑑』253
   チチコグサ G. japonicum(白背鼠麴草・天靑地白)
   チチコグサモドキ G. polycaulon (G.indicum, G.purpureum var.spathulatum,
        G.pensylvanicum;多莖鼠麴草・狹葉鼠麴草・白花艾・田艾・老鼠艾)
        『中国本草図録』Ⅹ/4892・『中国雑草原色図鑑』253
   G. tranzschelii (G. uliginosum;濕鼠麴草)
 『中国本草図録』Ⅵ/2889
   ヒメチチコグサ G. uliginosum

 外来植物としては、次のようなものがある。
   タチチチコグサ G. calviceps
   セイタカハハコグサ G. luteo-album
   ウスベニチチコグサ G. purpureum
   ウラジロチチコグサ G. spicatum(G. coarctatum)
   エダウチチチコグサ G. sylvaticum 
 キク科 Compositae(菊科)の植物については、キク科を見よ。
 和名は、一説に繁■{藩の三水に白を代入}蒿(ハンハンコウ)の転訛(奈良時代に伝来した『新修本草』に繁■蒿の記載がある)
 一説にほおけるの転訛
(牧野)というが、ほうこぐさの名は江戸時代のもの。
 いずれにせよ、母子草と書くのは正しくないというが、平安時代からこう書かれている
(『文徳実録』879)
 春の七草の一、御形(御行・五行,おぎょう)は ハハコグサであるとする。
 御形の名は、人形
(ひとがた)の形代(かたしろ)に擬えたことから、といい、植物体が白いことから。ハハコの名も、「這子」との関連の可能性が 指摘されている。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)馬先蒿に、「和名波々古久佐」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』12(1806)に、「ハゝコグサ
母子草ト書 文徳実録に見えたり。古き和名ナリ。今ハホーコグサト云 オギヤウ御形ト書ス。後世誤唱テゴギヤウトス。古書ニハ皆オギヤウトイヘリ トウコ尾州 トウゴ同上 モチバナ豊後 モチブツ肥前 カウジブツ同上 モチヨモギ大和本草 ジヤウラウヨモギ同上 ゴギヤウブツ筑前 ゴギヨブツ九州 ゴギヤウヨモギ同上 トノサマヨモギ紀州 トノサマタバコ花ヲ云。同上 カハチゝコ信州 コウジバナ讃州 ツゞミグサ佐州 ネバリモチ野州 モチグサ防州」と。
 漢名は、麴というのは その黄色い花の色から、鼠耳というのは その葉の形から、佛耳は鼠耳の転訛(本草綱目)
 英名 cudweed は、ハハコグサ属の総称。
 日本・朝鮮・中国(黄河流域以南)・東南アジアに分布。
 全草を薬用にする。
 中国では、むかし 3月3日にハハコグサを加えた草餅を作って食った。
 『荊楚歳時記』に、「是の日、鼠麹の汁と蜜とを取り、粉に和
(ま)ぜて、之を龍舌◆{米偏に半}(ハン,ban,だんご・もち)と謂い、以て時気を厭(おさ)う」と。
 『中国高等植物図鑑』によれば、今日でも「若葉は糯●
{米偏に巴}(タハ,nuoba,もち・もちがし)に作って食う」といい、『中国食物事典』によれば「春季嫩葉を細切し、糯米の粉に混ぜて団子にして食べる。西南各省で清明●といって市販されている」という。
 上記の習慣は、日本に伝えられた。『文徳実録』(879)に、嘉祥3(850)5月壬午の条に、三月三日に、母子草を採って蒸して搗いて餅にして食う習俗を記録している。(ほかに夫木和歌集・俊頼家集・曽丹集など)
 そののち、草餅に入れる草は、室町時代までにはヨモギに代った。
 ハハコグサやヨモギを草餅に用いるのは、元来その葉裏の綿毛を餅の繋ぎとしたものであろう(牧野)
 鎌倉時代以降は、春の七草のうち 御形・御行(おぎょう・ごぎょう)に数えられた。
 早春に若芽を摘んで 雑煮や七草粥に入れて食ったほか、丈の伸びたものも 茹で晒して 蔬菜として食った。
 花を摘んで干したものをタバコの代用にし、薬効があるという。

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