やまのいも (山の芋) 

学名  Dioscorea batatas (D.opposita)
日本名  ヤマノイモ
科名(日本名)  ヤマノイモ科
  日本語別名  ナガイモ、ヤマイモ、トロロイモ、イセイモ、シンシュウイモ
漢名  普通山藥(フツウサンヤク,putongshanyao)
科名(漢名)  薯蕷(ショヨ,shuyu)科
  漢語別名  山藥・家山藥・野山藥・懷山藥、薯蕷、野山豆
英名  Chinese yam, Cinnamon yam
2005/08/11 薬用植物園
2005/08/12 清瀬市下宿

 ヤマノイモ科 Dioscoreaceae(薯蕷科)には、10-11属600-650種がある。
   ヤマノイモ属 Dioscorea(薯蕷屬)
   Rajania
   Tamus 
 ヤマノイモ属 Dioscorea(薯蕷屬)の植物には、世界の熱帯・亜熱帯に約600種がある。
 この属の植物の塊茎をヤム
(ヤムイモ;E.Yam;東南アジアで ubi)と呼び、イモとして食用にする。

  ダイジョ D. alata(參薯・大薯;E.Greater yam, Water yam)
  D. althaeoidea(蜀葵葉薯蕷・穿地龍・穿山龍・龍骨七)
       
 『雲南の植物Ⅰ』263・『中国本草図録』Ⅱ/0925
  ツクシタチドコロ D. asclepiadea
  D. atropurpurea 東南アジア熱帯に自生
  ヤマノイモ (ナガイモ) D. batatas (D.opposita;薯蕷・山藥・普通山藥・
       家山藥・山藥蛋;E.Chinese yam)
    ツクネイモ f. tsukune
  ニガカシュウ D. bulbifera(D.sativa;黄獨・黄藥子・零餘子薯蕷・雷公薯・
       綿萆薢・萆薢;E. Potato yam, Aerial yam)
『中国本草図録』Ⅱ/0926
    カシュウイモ cv. Domestica
  D. chingii(山葛薯)
  ソメモノイモ D. cirrhosa(D.rhipogonoides;薯莨・紅孩兒・朱砂蓮・山羊頭・
       山猪薯・茹榔・金花果・赭魁)
『倭名類聚抄』に為乃止々木と。
  D. collettii(叉蕊薯蕷・九子不離母・黄薑)
    var. hypoglauca(粉背薯蕷)
  D. decipiens(多毛葉薯蕷)
  D. deltoidea(三角葉薯蕷)
 『中国本草図録』Ⅱ/0927
  ハリイモ D. esculenta(D.fasiculata,Oncus esculenta;
       E.Lesser yam, Chinese yam) 
東南アジア原産
  D. flabellifolia 東南アジア熱帯に自生
  D. fordii(山薯・土淮山)
  D. futschauensis(福州薯蕷・福建棉草薢・猴骨草)
  D. gibbiflora 東南アジア熱帯に自生
  D. glabra(光葉薯蕷・紅山藥・紅孩兒・野紅薯)
  D. globosa 東南アジア熱帯に自生
  タチドコロ D. gracillima(纖細薯蕷)
  D. grata(異塊莖薯莨)
  D. hamiltonii
東南アジア熱帯に自生
  D. hemsleyi(黏山藥)
  ドクヤム D. hispida(D.daemona;白薯莨・榜薯・野葛薯・山薯・山仆薯・板薯;
       E.Intoxicating yam)
 東南アジア熱帯に自生。『中国本草図録』Ⅱ/0928
  D. hypoglauca(粉背薯蕷・粉草薢・草薢) 『中国本草図録』Ⅹ/4943
  イズドコロ D. izuensis
  ジネンジョ (ヤマノイモ) D. japonica(日本薯蕷・野山藥)
  D. kamoonensis var. henryi(高山薯蕷・穿山龍)
 『中国本草図録』Ⅴ/2425
  D. laurifolia 東南アジア熱帯に自生
  D. luzonensis 東南アジア熱帯に自生
  D. melanophyma(黑芽珠薯蕷・黑彈子)
  ウチワドコロ (コウモリドコロ) D. nipponica(穿龍薯蕷・穿山龍・穿地龍・地龍骨・
       金剛骨・鷄骨頭・野山藥・山常山)
       
『中国雑草原色図鑑』354、『中草薬現代研究』Ⅱp.227
    var. rosthani(柴黄薑)
  D. myriantha 東南アジア熱帯に自生
  D. nummularia
  D. opposita → D. batatas
  D. orbiculata 東南アジア熱帯に自生
  D. owenii
東アジア松葉樹林帯に分布
  D. panthaica(黄山藥・薑黄草・黄薑・知母山藥・老虎薑)
        『雲南の植物Ⅱ』268・『中国本草図録』Ⅰ/0431
  D. papuana
  D. parviflora(小花薯芋・小花盾葉薯蕷)
 『雲南の植物Ⅱ』268
  アケビドコロ D. pentaphylla(五葉薯蕷)
  D. persimilis(褐苞薯蕷・山藥・土淮山) 東南アジア熱帯に自生。『中国本草図録』Ⅰ/0432
  D. piscatorum 東南アジア熱帯に自生
  D. poilanei(吊羅薯蕷)
  D. polyclados 東南アジア熱帯に自生
  D. prainiana 東南アジア熱帯に自生
  キイルンヤマノイモ D. pseudo-japonica
  D. pyrifolia 東南アジア熱帯に自生
  カエデドコロ D. quinqueloba
  D. rhipogonoides → D. cirrhosa
  D. sativa → D. bulbifera
  キクバドコロ (モミジドコロ) D. septemloba
    シマウチワドコロ var. sititoana
  D. subcalva(毛膠薯蕷・粘山藥・粘狗苕・牛尾參) 『中国本草図録』Ⅹ/4944
  ヒメドコロ (エドトコロ) D. tenuipes(細柄薯蕷)
  オニドコロ (トコロ) D. tokoro(山萆薢・粉萆薢・萆薢・山草薢)
  D. yunnanensis(雲南薯蕷)
  D. zingiberensis(盾葉薯蕷・黄薑・火藤根)

 そのほか、世界では次のようなものを食用にする。
  キイロギニアヤム D. cayenensis(D. rotundata;E.Yellow yam, Guinea yam)
       
アフリカ熱帯多雨林地帯で栽培
  クラスターヤム D. dumetorum
アフリカ原産
  ミツバドコロ D. trifida(E.Cush-cush, Yampi) 南アメリカ北部原産 
 
 野生のジネンジョ D. japonicaと、栽培するヤマノイモ(ナガイモ)の間には、雑種と思われる中間型があって、両者の区別は困難である(『週刊朝日百科 植物の世界』9-262)
 和名は、畑に栽培するサトイモ(里芋)に対して山芋といい、芋が長いので長芋という。
 なお、ジネンジョも ヤマノイモという。
 漢名 山藥は、そのイモを薬用にすることから。
 芋・薯・藷は、いずれもイモ。薯蕷は、薯芋・薯藇・藷藇などとも書く。
 日本では、深江輔仁『本草和名』(ca.918)に、薯蕷は「和名也末都以毛」、薢は「和名止古呂」、萆解は「和名於尓止古呂」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)に、署預一名山芋は「和名夜万都以毛、俗云山乃以毛」、零餘子は「和名沼加古」、薢は「和名土古呂」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』14下(1806)萆薢に「トコロ アマドコロ
委蕤ト同名 江戸ドコロ カンドコロ佐州」と、23薯蕷に「ヤマツイモ和名鈔 ヤマノイモ ナガイモ」「零余子 ヌカゴ古名薩州 ムカゴ メカゴ豫州 マカコ石州 ガコ筑前 クハンゴ同上 カゴモ防州 カグモ長州 イモカゴ三州 イモシカゴ常州 イモゴ佐州 クロメ相州 バンコ肥前」と。
 属名 Dioscorea は、紀元前1世紀のギリシアの医者ディオスコリデス Dioscorides に因む。
 アジア温帯の照葉樹林の原産、中国中南部に野生。日本には中世に渡来し、各地で栽培されている。
 ヤムイモ(ヤマノイモ属の植物の塊茎)は、世界各地で古来重要な食用イモ。
 西アフリカにおけるB.C.50,000年ころからの出土物により、当時すでに野生ヤムが食用にされていたことが知られるという。
 B.C.3000年ころのヤムイモの栽培圏は二つあり、一は東南アジア、一は西アフリカ。
 日本では、近世に新大陸起源のサツマイモジャガイモが渡来する以前、ヤマノイモはサトイモとともに古来の代表的なイモであった。
 日本のヤマノイモ(ナガイモ)は、イモ部分の形などによって、次の4種類に分れる。
   (1) 長薯。円柱形で細長く長50-100cm。東北地方・長野県など寒冷地で栽培。
   (2) 徳利薯・杵薯。短く太い棒状で長30cm程度。関東-関西で栽培。
   (3) 仏掌薯・いちょう薯。扁平で扇型。関東以西で栽培。
   (4) 大和薯・伊勢薯・豊後薯・つくね薯。
       球形ないし塊形で、粘りが強い。西日本暖地で栽培。
 ヤマノイモ属の根は、古来薬用にする。
 中国では、ヤマノイモ及びジネンジョの根を山薬と呼び、薬用にする。日本薬局方、同。
『中薬志Ⅰ』pp.57-59 

跡見群芳譜 Top ↑Page Top
Copyright (C) 2006- SHIMADA Hidemasa.  All Rights reserved.
跡見群芳譜トップ ナス オクラ ブルーベリー コマツナ ソバ ナシ 農産譜index