しそ (紫蘇) 

学名  Perilla frutescens var. crispa (=P. crispa)
日本名  シソ
科名(日本名)  シソ科
  日本語別名  
漢名  紫蘇(シソ,zisu)
科名(漢名)  唇形(シンケイ,chunxing)科
  漢語別名  蘇(ソ,su)・赤蘇(セキソ,chisu)、回回蘇(カイカイソ,huihuisu)
英名  Perilla
アカジソ  2004/09/17  新座市中野


アオジソ  2005/09/13  三芳町竹間沢
2007/09/24 小平市


 シソ科 Labiatae(Lamiaceae;唇形科)については、シソ科を見よ。
 シソ属 Perilla(紫蘇屬)は、東アジアからインドにかけて、1-2種があると考えられているが、変異が多く 栽培品種も多いため、その分類が混乱している、という(『日本の野生植物』)
 ここでは YList に従い、一覧する。

  レモンエゴマ P. citriodora(P.frutescens var.citriodora)
  P. frutescens(白蘇)
    シソ
(広義) var. crispa(P.frutescens var.acuta)
      アオジソ f. viridis
      チリメンジソ f. crispa
      アカジソ f. purpurea
      マダラジソ f. rosea
      カタメンジソ 'Discolor'
      チリメンアオジソ 'Viridi-crispa'
    エゴマ var. frutescens
  トラノオジソ P. hirtella
  セトエゴマ P. stoyensis 
 別の説に、P. frutescens の変種として、次のようなものをあげる(『日本の野生植物』『朝日百科 植物の世界』など)
   P. frutescens
     エゴマ var. frutescens(var.japonica) 東南アジア原産。シソよりやや大型、茎葉に短毛がある
     レモンエゴマ var. citriodora 
日本の本州(埼玉県以西)・四国・九州に分布
     シソ var. crispa(P.crispa) 
チリメンジソ・アオジソなど 多くの園芸品種がある
     トラノオジソ var. hirtella 日本の本州・四国・九州に分布 
 一説に、シソを var.acuta、チリメンジソを var.crispa と区別する。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)に、「カタメン紫蘇ハ集解ニ葉下紫色ト云モノニシテ下品ナリ。面背皆紫ナルヲ トウジソ一名カウライジソ チヤウセンジソ ヲランダジソ チリメンジソ チゞミジソトモ云。葉ニ皺多ク鋸齒深。集解ニ謂ユル花紫蘇・回回蘇是ナリ。本草彙言ニハコレヲ鷄蘇と云」と。
 中国の文献では――
 『中国高等植物図鑑』は、P.frutescens を紫蘇
(白蘇)、その var.crispa を回回蘇(カイカイソ,huihuisu)とする。 『中国本草図録』Ⅱ/799・800・Ⅲ/1352参照。
 『中薬大辞典』は、P.frutescens を白蘇(荏・白紫蘇・家紫蘇)、その var.crispa を皺紫蘇(赤蘇・紫蘇・紅紫蘇)、var.acuta を尖紫蘇(野生紫蘇)とする。
 『全国中草薬匯編』は、P.frutescens を白蘇、その var.crispa を紫蘇とし、後者の f.nankinensis を鷄冠紫蘇
(繸邊皺紫蘇・回回蘇)とする。ただし、「紫蘇と白蘇の学名問題は、意見がまだ一致していない。このふたつを同一種と見なして 学名を同じく P.frutescens としたり、あるいはまた、野生の紫蘇を var.acuta、鷄冠紫蘇を var.crispa とすることがある」という。
 鷄冠紫蘇・繸邊皺紫蘇・回回蘇は、右のようなものである。
 
(『全国中草薬匯編』上 p.836 より)


  特徴は葉の縁の形、それを鷄冠や繸に擬える。
  鷄冠とは、オスの鶏のとさか。
  繸(スイ,sui)とは、一名流蘇(リュウソ,liusu)、ある種のひも飾り・房飾り。われわれに身近なイメージで言えば、劇場の緞帳や垂幕の下辺についている、たくさんのひもをぶら下げたような房かざり、のような形をしたもの。
 
 「回回蘇 Perilla frutescens var. crispa」の写真は、『中国本草図録』Ⅱ/0800にある。
 いずれにせよ、中国では白蘇(野蘇麻・玉蘇子・蘇梗)と紫蘇(赤蘇・紅蘇・紅紫蘇・皺紫蘇)とを区別する。その白蘇とは アオジソ・エゴマなどであり、紫蘇とは アカジソである。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)に、荏子は「和名於保衣乃美」、蘇は「和名以奴衣、一名乃良衣」、水蘇は「和名知比佐岐衣」、仮蘇は「和名乃々衣、一名以奴衣」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)に、荏は「和名衣」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』10(1806)に、「蘇 ノラヱ
和名鈔 ヌカヱ同上」と。
 漢名蘇は、李時珍『本草綱目』(ca.1596)に、「蘇は穌に従う。音は酥。舒暢なり。蘇、性は舒暢、気を行(や)り血を和す。故に之を蘇と謂う」と。
 科名 Labiatae は、唇 labia に基づく。上下に裂けた合瓣花冠の形から。この科の植物を通じる特徴を指す。
 漢名を唇形(シンケイ,chunxing)科と言い、むかし 日本でもクチビルバナ科と呼んだ。
 属名 Perilla は、東インドにおけるシソの土名。
 種小名 frutescens は「低木状の」。
 変種小名 crispa は「縮れた」、葉の形から。
 ヒマラヤ・ビルマ・中国の原産、中国南部で栽培化されたと推定されている。
 日本・朝鮮・中国・東南アジアで古くから栽培されてきたが、今では広く温帯地域に野生化している。
 「シソにはたくさんの変種があるが、それを利用しているのは照葉樹林地帯のみである。インドにはシソにわりあい近縁のツルシーと呼ばれる草(Ocimum basilidum)がヒンドゥー教と結合してひろく使われるが、シソはかえりみられない。ところが酒と同じように、ヒマラヤの中腹まで登っていくと、農家の庭先などにシソがときどき見られるようになる。それから東部ヒマラヤのアッサム山地ではシソを栽培してその種子を集め、食用にするが油はしぼらないという民族もある。シナや日本になると、シソは油料の変種もでき、また香味野菜とし愛用されて、多数の品種がつくられ、多量に栽培されている。シソの香りは照葉樹林文化の香りなのだ。」(中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』)
 中国では、白蘇は、人里近く、路傍あるいは山の斜面などに野生し、南北各省で栽培する。
 紫蘇は、長江以南では野生し、人里近く或いは路傍などに見られる。また、広く全国各地で栽培する。
 中国では、紫蘇の、葉をつけた若い枝を紫蘇と呼び、葉を紫蘇葉(シソヨウ,zisuye)と呼び、茎を紫梗(シコウ,zigeng)と呼び、果実を紫蘇子(シソシ,zisuzi)・蘇子・黑蘇子(コクソシ,heisuzi)と呼び、それぞれ薬用にする。『中薬志』Ⅱpp.421-423・Ⅲpp.207-210
 また、白蘇の葉・若い枝・主茎(蘇梗,ソコウ,sugeng)・果実(白蘇子,ハクソシ,baisuzi・玉蘇子,ギョクソシ,yusuzi)を薬用にする。
 日本薬局方の解説書によれば、本種のうちシソ(アカジソ)・チリメンジソ(すなわちアオジソ系を除く)の葉を、中国薬典で紫蘇葉、日本薬局方でソヨウ(蘇葉)と呼ぶ。そのほか、茎を蘇梗・種子を紫蘇子と呼び、薬用にする。

2007/10/08 薬用植物園   「シソ Perilla frutescens var. acuta」と表示

チリメンジソ
  2004/08/10 薬用植物園



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