| 辨 | 
             ニンジン属 Daucus(胡蘿蔔 húluóbo 屬)には、世界に約40種がある。 
             
              D. carota 
                ノラニンジン var. carota(野胡蘿蔔・南鶴蝨;E.Wild carrot) 
                ニンジン var. sativa(胡蘿蔔)『中国本草図録』Ⅲ/1307 
              ゴウシュウヤブジラミ D. glochidiathus オーストラリア・ニュージーランド原産  
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            |  セリ科 Apiaceae(Umbelliferae;繖形(傘形) sănxíng 科)については、セリ科を見よ。 | 
          
          
            | 訓 | 
             日本では、古来人参(にんじん)といえばオタネニンジン(チョウセンニンジン)を指した。人参の語義についてはオタネニンジンを見よ。 
             16世紀に西洋から蔬菜のニンジン carrot が入ると、人参はニンジンを指すことになり、オタネニンジンは区別して朝鮮人参・高麗人参などと呼ばれた。 | 
          
          
            |  小野蘭山『本草綱目啓蒙』22(1806)胡蘿蔔に、「セリニンジン ニンジン ナニンジン ニジ ハタニンジン仙台」と。 | 
          
          
            |  漢名の胡蘿蔔は、「西から入ってきたダイコン」の意。 | 
          
          
            | 説  | 
             野生種ノラニンジンは、南西アジア・地中海沿岸に分布。 
             日本では西日本に点在するが、栽培品からの野生化である。 | 
          
          
             栽培種はアフガニスタン起源。 
             10世紀にヨーロッパにもたらされたものは後の西洋系ニンジンとなり、14世紀に中国にもたらされたもの(『飲食須知』『飲膳正要』)は東洋系ニンジンとなった。 
             日本には、17世紀頃東洋系が入ったが、明治時代に改めて西洋系が導入された。 | 
          
          
            | 誌 | 
             中国では、ノラニンジンの果実を鶴蝨(カクシツ,hèshī。南鶴蝨)と呼び、薬用にする。 
             『中国本草図録』Ⅵ/2748・『中国雑草原色図鑑』150。なお、北鶴蝨はヤブタバコの果実。   |