こえんどろ  

学名  Coriandrum sativum
日本名  コエンドロ
科名(日本名)  セリ科
  日本語別名  シャンツァイ、コリアンダー
漢名  芫荽(ゲンスイ,yánsuī,yánsui)
科名(漢名)  繖形(傘形,サンケイ,sănxíng)科
  漢語別名  香菜(コウサイ,xiāngcài)、胡荽(コスイ,húsuī)、香荽(コウスイ,xiāngsuī)
英名  Coriander
2006/04/16 薬用植物園

2008/04/15 小石川植物園

2006/05/06 薬用植物園
2007/05/26 同上
2006/06/22 同上

 コエンドロ属 Coriandrum(芫荽 yánsuī 屬)には、地中海地方東部に1-2種がある。

  コエンドロ C. sativum(芫荽・胡荽) 
   蒝(ゲン,yuán)
 セリ科 Apiaceae(Umbelliferae;繖形(傘形) sănxíng 科)については、セリ科を見よ。
 和名コエンドロは、ポルトガル語の coentro から。
 漢名胡荽(コスイ,húsuī)について、李時珍は「荽(スイ,suī)、許氏説文は葰(スイ,suī)に作り、〔薑の屬、以て口を香しからしむべし〕と云う。其の莖柔かく葉細く、根は鬚多くして綏綏然(スイスイゼン, suísuírán)たり。張騫西域に使し、始めて種を得て歸る。故に胡荽(コスイ,húsuī)と名く。今、俗に呼びて蒝荽(ゲンスイ,yuánsuī)と爲す。蒝(ゲン,yuán)は乃ち莖葉布散の貌、俗に芫花(ゲンカ,yuánhuā)の芫(ゲン,yuán)に作るは非なり」という。なお、文中芫花はフジモドキ
 今日、芫の字は、フジモドキは芫花(ゲンカ,yuánhuā)、コエンドロは芫荽(ゲンスイ,yánsuī)と読み分ける。  
 『本草和名』に、「温菘・黄菜、又有荢菜・燕白菘・葫乨●{艸冠に綏}、一名香綏、和名古之」と。
 『倭名類聚抄』胡荽に「和名古仁之」と。
 『大和本草』胡荽{コエントロ}に、「順曰和名古仁之、コヱントロハ蠻語ナリ」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』胡荽に、「コニシ コエンドロ
蛮語コリアンデルノ転ナリ」と。
 漢名は、後趙の石勒(274-333)の諱を避けて、胡荽(コスイ,húsuī)を香荽(コウスイ,xiāngsuī)と改む。 
 コエンドロのほか、バジルナギナタコウジュにも 香菜(コウサイ,xiāngcài)の別名がある。
 地中海地方(東部)原産。
 日本には、江戸時代に渡来。
 茎葉・種子を、蔬菜とし、香味料とする。よく中華料理に用いられるシャンツァイ(香菜, xiāngcài)はこれ。
 中国では、全草と成熟した果実(芫荽子)を薬用にする。
『中薬志Ⅱ』pp.188-191 『全國中草藥匯編 上』p.450 『(修訂) 中葯志』III/358-361
 中国では、賈思勰『斉民要術』(530-550)に「種胡荽」が載る。
 「胡荽(こずい)  南蛮の語にこゑんとろと云ふ。食物等の悪臭をよく去るものなり。猪肉、鶏肉などの料理に加ゆれで、あしきかを消し、甚だ宜し」(宮崎安貞『農業全書』1697)。

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