辨 |
ハマオモト属 Crinum(文殊蘭 wénshūlán 屬)には、世界の熱帯・亜熱帯に約65-110種がある。
エンレイハマオモト C.× amabile (紅花文殊蘭) インド原産
C. americanum (美洲文殊蘭・北美文殊蘭)
ハマオモト(広義) C. asiaticum
オオハマオモト var. asiaticum(亞洲文殊蘭) インド洋・東南アジア・太平洋産
ハマオモト var. japonicum(C.maritimum)
var. pedunculatum ニューギニア・濠洲東北部・太平洋産
タイワンハマオモト(オガサワラハマユウ) var. sinicum(C.gigas;文殊蘭・羅裙帶)
『中国本草図録』Ⅵ/2945
アフリカハマユウ C. bulbispermum
インドハマユウ C. latifolium (西南文殊蘭)
ナガバハマオモト C. longifolium (長葉文殊蘭)
モモイロハマオモト C. moorei (寛葉文殊蘭)
C. natans アフリカ西部産、水生植物
C. pedunculatum 濠洲産
クリナム・パウエリー C. × powellii
C, purpurascens
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ヒガンバナ科 Amaryllidaceae(石蒜 shísuàn 科)については、ヒガンバナ科を見よ。 |
訓 |
「和名ハ海濱ニ生ジ形狀おもとニ似タルヲ以テ名ク、又はまゆふハ通常濱木綿ト書シ、其層ナリ卷テ僞莖ヲ成セル白色葉鞘ニ基ヅキシ名ナリ、而ルヲ其花恰モ白幣ヲ掛ケタル如キ故名クト解スルハ非ナリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。なお、木綿(ゆう)についてはコウゾの誌を見よ。
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『大和本草』に、「濱木綿(ユフ) ヲモトニ似タリ、俗名ニハマヲモトトモ云」と。 |
説 |
本州(三浦半島以南)・四国・九州・琉球・朝鮮に分布。 |
誌 |
『万葉集』に、
み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は念(も)へど 直(ただ)にあはぬかも
(4/796,柿本人麻呂。葉が幾重にも重なることから、百重(ももへ)を導く。
今日では、み熊野のハマユウは天然記念物。)
西行(1118-1190)『山家集』に、
みくまのの はまゆふおふる うらさびて 人なみなみに とし(年)ぞかさなる
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三重県・宮崎県の花。 |