辨 |
オモト属 Rohdea(萬年靑 wànniánqīng 屬)には、東アジア~インドに約20種がある。
R. aurantiaca(Tupistra aurantiaca;橙花開口箭・黃花開口箭)
雲南・チベット・ヒマラヤ産『全國中草藥匯編 上』p.160
カッパンオモト R. chlorantha(Tupistra chinensis;開口箭)
臺灣・華東・河南・陝西・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南産 『全國中草藥匯編』上/160
R. ensifolia(Tupistra ensifolia;劔葉開口箭・巖七) 雲南産 『全国中草葯匯編』下/377-378
R. fimbriata(Tupistra fimbriata;齒瓣開口箭・流蘇開口箭)
四川・雲南産 『全國中草藥匯編 上』p.141
オモト R. japonica(R.sinensis;萬年靑)
サツマオモト var. latifolia 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
R. tonkinensis(Tupistra wattii;彎蕊開口箭・見血封口)
廣西・四川・貴州・雲南・ヒマラヤ産 『全國中草藥匯編』上/143,下/121
R. watanabei 臺灣の山地に分布
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キジカクシ科(クサスギカズラ科) Asparagaceae(天門冬 tiānméndōng 科)については、キジカクシ科を見よ。 |
訓 |
「和名ハ大本ノ意ニシテ畢竟其粗大ナル株ヲ表現セシメシ名ナルベシ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
『大和本草』に、「萬年靑(ヲモト) ・・・俗醫藜蘆ヲモトヲト云、非也、藥肆ヨリモ゜ヲモトノ禰ヲ藜蘆ト稱シテウル、不可用」と。また、藜蘆に、「ヲモトト訓スルハ非ナリ、藥肆ニヲモトノ根ヲ藜蘆ナリトテウル、用ユヘカラス、ヲモトハ萬年靑ナリ」と。なお、藜蘆はシュロソウの仲間。 |
説 |
本州(関東以西)・四国・九州・河南・山東・華東・湖北・兩廣・四川・貴州・雲南の暖温帯の林床に分布。
福井県敦賀市の自生地は、国指定の天然記念物。 |
誌 |
中国では、根茎・全草を薬用にする。『全國中草藥匯編 上』pp.34-35 |
日本では室町時代から観葉植物として鉢植えされだし、江戸時代に入ると元禄年間ごろから園芸品種が作られ、のち爆発的に流行した。寛永5年(1852)と明治15年には、売買が禁止されるに至ったほど。 |
厚ら葉のなかにこもりて万年青の実紅(あか)きころほひ時雨ふりけり
(1941,齋藤茂吉『霜』)
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