とびかずら (飛蔓)

 学名  Mucuna sempervirens (M.japonica)
 日本名  トビカズラ
 科名(日本名)  マメ科
   日本語別名  アイラトビカズラ
 漢名  常春油麻藤(ジョウシュン ユマトウ, chángchūn yóumáténg)
 科名(漢名)  豆(トウ,dòu)科
   漢語別名  牛馬藤、過山龍、常綠黎豆
 英名  

2010/08/21 富山県中央植物園

 トビカズラ属 Mucuna(油麻藤 yóumáténg 屬)には、世界の熱帯・亜熱帯に約80-100種があり、日本には4種が野生する。

  M. birdwoodiana(白花油麻藤・勃氏黎豆・鷄血藤・大蘭布麻)
 
        江西・福建・兩廣・四川・貴州・雲南産
 ムラサキナツフジを見よ
        『中薬志』Ⅲ/500-505 『(修訂)中葯志』V/611-622
        『全國中草藥匯編』上/426-428,下/203
  カショウクズマメ
(ハネミノモダマ) M. bracteata(黃毛黧豆)
  M. championii(港油麻藤・絹毛油麻藤)
  ワニグチモダマ
(ミドリモダマ・ムニンモダマ) M. gigantea(M.toyoshimae;
         巨黧豆・巨黎藤・大血藤)
  M. hainanensis(海南黧豆・水流藤)
 廣西・海南・ベトナムに産。
  ウジルカンダ
(イルカンダ・カマエカズラ・クズモダマ・タイワンワニグチ)
        M. macrocarpa(M.ferruginea, M.ferruginea var.irukanda, M.ferruginea
        var.bungoensis, M.irukanda, M.irukanda var.bungoana, M.subferruginea,
        M.wangii, M.castanea;長莢油麻藤・大果油麻藤・血藤・黑豆藤・牛豆・蔓葉藤)
        
ヒマラヤ~日本に分布 
  カショウクズマメ
(ハネミノモダマ) M. membranacea(M.iriomotensis;蘭嶼血藤)
  コウトウクズマメ M. nigricans(野黎豆)
  M. pruriens
    var. pruriens(刺毛黧豆・刺毛狸豆)

    ハッショウマメ(タヌキマメ) var. utilis(Stizolobium pruriens var.hassjoo,
         Stizolobium hassjoo;黧豆・黎豆) 東南アジア熱帯産。日本でも栽培。
         『大和本草』4「黎豆」はこれである
  トビカズラ
(アイラトビカズラ) M. sempervirens(M.japonica;常春油麻藤)
   

 マメ科 Leguminosae(Fabaceae;豆 dòu 科・荳科)については、マメ科を見よ。

 和名は、源平合戦の時に観音像(「相良(あいら)観音」)が空を飛んでこの木に乗り移り、焼き打ちを逃れた、という伝説に基づく(『週刊朝日百科 植物の世界』)

 浙江・福建・江西・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南に分布。
 日本には、熊本県山鹿市菊鹿
(きくか)町相良(あいら)相良寺(あいらじ)に一株だけあり、樹齢千年超と言われ、1952年に国の特別天然記念物に指定されている。おそらく中国から入ったものだろう、と言う。 

 中国では、根・茎・葉・全草を薬用にする。『全国中草葯匯編』下/151 『(修訂) 中葯志』V/611-622
 種子は食用にし、油を採る。塊根からは澱粉を採る。茎の皮の繊維からは麻袋を作り、紙を漉く。 ムラサキナツフジを見よ。


跡見群芳譜 Top ↑Page Top
Copyright (C) 2006- SHIMADA Hidemasa.  All Rights reserved.
跡見群芳譜トップ モクゲンジ イチイ アブラチャン タチバナ イロハカエデ 樹木譜index