さるとりいばら (猿捕茨) 

学名  Smilax china
日本名  サルトリイバラ
科名(日本名)  ユリ科
  日本語別名  ガンタチイバラ、カカラ、サルトリ、サルカキ・サルカキイバラ
漢名  菝葜(ハツカツ,baqia,ばっかつ)
科名(漢名)  百合(ヒャクゴウ,baihe)科
  漢語別名  鐵菱角(テツリョウカク,tielingjiao)、金剛根(コンゴウコン,jinganggen)
英名  Greenbrier, Catbrier
2009/04/16 入間市宮寺
 雄株
2008/04/24 入間市宮寺
 雌株

2006/08/28 明治薬科大学薬草園
2008/10/30 入間市宮寺
Smilax sp.
   2006/01/15 薬用植物園


 サルトリイバラ科(シオデ科) Smilacaceae(菝葜科)には、10属約400-500種がある。

   カラスバサンキライ属 Heterosmilax(肖菝葜屬)
 約15種
     H. chinensis(華肖菝葜)
     カラスバサンキライ H. japonica(肖菝葜・白土苓・白萆薢)
     H. yunnanensis(短柱肖菝葜)
   Rhipogonum 主にオーストラリアに6種
   サルトリイバラ属
(シオデ属) Smilax(菝葜属)

 この科の植物は、ユリ科 シオデ亜科 Smilacoideae として扱うことがある。
 サルトリイバラ属(シオデ)属 Smilax(菝葜属)には、世界に約300-480種がある。
   S. aberrans(毛葉菝葜)
     var. retroflexa(彎梗菝葜)
   S. arisanensis(尖葉菝葜)
   S. aspera(穗菝葜)
   S. aspericaulis(疣枝菝葜)
   S. astrosperma(灰葉菝葜)
   S. basilata(短梗菝葜)
   ヒメカカラ S. biflora(S.china var.biflora)
     サルマメ var. trinervula(S.trinervula, S.sarumame)
   S. bockii(西南菝葜・藏金剛藤)
 『中国本草図録』Ⅶ/3424
   サツマサンキライ S. bracteata(圓錐菝葜)
 『雲南の植物Ⅲ』276
     アラガタサンキライ var. verruculosa
   S. chapaensis(密疣菝葜)
   サルトリイバラ S. china(S.japonica;菝葜)『中国本草図録』Ⅸ/4423
     キミノサルトリイバラ f. xanthocarpa
     コミノサルトリイバラ var. igaensis
     オキナワサルトリイバラ var. kuru
     トキワサルトリイバラ var. yanagitae(S.boninensis)
   S. chingii(柔毛菝葜)
   S. cocculoides(銀葉菝葜)
   S. corbularia(筐條菝葜)
   S. cyclophylla(合蕊菝葜)
   S. darrisii(平滑菝葜)
   S. davidiana(小果菝葜)
   S. densibarbata(密刺菝葜)
   S. discotis(毛柄菝葜・托柄萆薢・土伏苓・金剛藤)
   ホソバサンキライ S. elongato-umbellata(臺灣菝葜)
   S. ferox(長托菝葜・大菝葜・刺萆薢) 
『雲南の植物Ⅰ』260・『中国本草図録』Ⅵ/2943
   S. fooningensis(富寧菝葜)
   ケナシサルトリイバラ
(ドブクリョウ) S. glabra(光葉菝葜・土伏苓・鮮土苓・仙遺糧・
        冷飯團・山奇糧・山猪糞)
 『中国本草図録』Ⅱ/0921・『中薬志Ⅰ』彩図/2
     var. concolor(藍果土伏苓)
   S. glauco-china(黑果菝葜・粉菝葜・金剛藤頭・鐡菱角) 『中国本草図録』Ⅶ/3425
   S. glaucophylla(西藏菝葜)
   S. hayatae(菱葉菝葜)
   S. hemsleyana(束絲菝葜) 『雲南の植物Ⅲ』276
   S. horridiramulus(刺枝菝葜)
   S. hypoglauca(粉背菝葜)
   S. kwangsiensis(縁毛菝葜)
   タイワンサンキライ S. lanceifolia(馬甲菝葜・暗色菝葜・暗色土伏苓・白伏苓)
         『雲南の植物Ⅲ』276・『中国本草図録』Ⅹ/4938
   S. lebrunii(粗糙菝葜)『中国本草図録』Ⅹ/4939
   S. lunglingensis(馬錢葉菝葜)
『雲南の植物Ⅱ』262
   S. macrocarpa(大果菝葜)
   S. mairei(無刺菝葜・滇紅菝葜・小萆薢・紅萆薢)
         『雲南の植物Ⅱ』262・『中国本草図録』Ⅸ/4424
   S. menispermoides(防己葉菝葜)
 『中国本草図録』Ⅴ/2421
   S. microphylla(小葉菝葜・烏魚刺) 『中国本草図録』Ⅹ/4940
   S. myrtillus(烏飯葉菝葜)
   S. nana(矮菝葜)
   ササバサンキライ S. nervo-marginata(緣脈菝葜)
   S. nigrescens(黑葉菝葜)
   タチシオデ S. nipponica(白背牛尾菜・牛尾菜)
   S. ocreata(包莖菝葜)
 『中国本草図録』Ⅱ/0922
   S. outanscianensis(武當菝葜)
   S. pekingensis(北京菝葜)
   s. perfoliata(穿鞘菝葜・穿耳菝葜・大托葉菝葜・翅柄菝葜)『中国本草図録』Ⅸ/4425
   S. planipes(扁柄菝葜)
   S. polycephala(四稜菝葜)
   S. polycolea(紅果菝葜)『中国本草図録』Ⅸ/4426
   S. quadrata(方枝菝葜)
   S. rigida(勁直菝葜)
   シオデ S. riparia(牛尾菜・草菝葜)
 『中国本草図録』Ⅴ/2422
     シオデ var. ussuriensis(var.ussuriensis f.maximowiczii, S.oldhami,
         S.maximowiczii, S.ovatorotunda var.ussuriensis)
   S. scobinicaulis(短梗菝葜・黑刺菝葜・鐡絲靈仙)
   ハマサルトリイバラ
(トゲナシカカラ) S. sebeana
   S. setiramula(密剛毛菝葜)
   S. siderophylla(鐡葉菝葜・白萆薢)
   ヤマカシュウ S. sieboldii(華東菝葜・鮎魚鬚・鐡絲靈仙)
   マルバサンキライ S. stans(S.vaginata var.stans;鞘柄菝葜)
   S. tetraptera(四翅菝葜)
   S. trachypoda(糙柄菝葜)
   S. trinervula(三脈菝葜)
   S. tsingchengshanensis(靑城菝葜)
   S. vanchingshanensis(梵淨山菝葜) 
 和名は、茎に硬い刺があって 山道に茂ると通行の邪魔になるので、猿も引っかかって取れるだろうとの意。
 深江輔仁『本草和名』(ca.918)に、菝葜は「和名宇久比須乃佐留加岐、一名佐留止利、一名於保宇波良」、楊蕨菜は「和名之保天」と。
 源順『倭名類聚抄』
(ca.934)に、菝葜は「和名佐流止里、一云於保宇波良」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』14下(1806)に、「ウグイスノサル
古歌 サルトリ和名鈔 オホウバラ同上 サルトリイバラ ワサンキライ カキイバラ イビツイバラ カメイバラ筑前 ガメイグ同上 ガンタチイバラ防州 ガンタチ同上 ヱビイバラ ガラタチイバラ讃州 カラタチ土州 サルトリイギ防州 ホウテウイギ ホテンドウ共ニ同上 ミゝヅクイバラ泉州 ウマガタグイ備前 ウマカタイバラ同上 ボテグイ備後 ガンナイバラ佐州 カナイバラ同上 カタラ石州 モガキバラ仙台 モガクバラ南部 モンガクバラ同上 クハクハライゲ薩州 シヤウガクバラ信州 フキダマ同上。小葉ノ麥門冬ト同名 サルカケイバラ越前 サルカキバラ越後 サルカケイゲ肥後 サイカチイバラ加州 シリガセイバラ播州酒見北条 ウマグイ同上姫路 カメノカウイバラ同上 ガンライイバラ熊州 ゴキイバラ同上 カタラグイ藝州 イヌバラ豫州 イギンドウ長州 イチビ熊野尾鷲 バンガチ同上三木 カゴバラ上総 五郎四郎シバ西国」と。
 漢名の菝葜は、漢音はハツカツだが、慣例としてバッカツと読む。
 日本・朝鮮・中国(華東・中南・西南)・臺灣に分布。
 嫩葉を茹でて食用にし、若葉は餡餅を包んで端午の節句に食い、成長した葉は茶の代用にする。熟果も食える。
 漢方では、根茎を菝葜(ばっかつ)と呼び、薬用にする(中国では 下記の土伏苓と同様に用いる)。
 日本薬局方でサンキライ(山帰来)と呼ぶものは、ケナシサルトリイバラ S. glabra(光葉菝葜・土伏苓・山奇糧)の塊茎である。中国では、これを土伏苓の名で薬用にする。『中薬志Ⅰ』。 日本の薬名山帰来は、S.glabra の漢土における別名山奇糧(サンキリョウ,shanqiliang)の音の転訛という(牧野)
 この S. glabra は、中国
(華東・中南・西南)・ベトナム・インドに分布し、日本には産しない。そこで日本では、サルトリイバラの根をサンキライの代用として和山帰来(わのさんきらい)と呼び、S. glabra の根を唐山帰来(からさんきらい)と呼ぶことがある。
 なお、かつてカラスバサンキライ Heterosmilax japonica(肖菝葜・白土苓・白萆薢)をもって土伏苓に当てたことがあるが、誤りである、という。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「荊棘(いばら)のるひ」に、「荊茨(さるとりばら) 花形藤のごとく、色うこん。上々」と。


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