のうぜんかずら (凌霄蔓) 

学名  Campsis grandiflora (C. chinensis)
日本名  ノウゼンカズラ
科名(日本名)  ノウゼンカズラ科
  日本語別名  
漢名  凌霄花(リョウショウカ,língxiāohuā)
科名(漢名)  紫葳(シイ,zĭwēi)科
  漢語別名  苕(チョウ,tiáo)・陵苕(リョウチョウ,língtiáo)、紫葳(シイ,zĭwēi)・茈葳、女葳花、杜靈霄花、上樹蜈蚣、碎骨風、鬼目
英名  Chinese(Great) trumpet creeper
2007/07/16 神代植物公園

2005/007/17 小平市 

 ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae(紫葳 zĭwēi 科)には、約82属 約870種がある。

  チャンベルカズラ属 Anemopaegma(黃葳屬)
中南米に約45種
    チャンベルカズラ A. chamberlayii(E.Yellow Trumpet Vine)
         
ブラジル・ボリビア・パラグアイ産

  ツリガネカズラ属 Bignonia(號角藤屬)

      incl. Clytostoma, Saritaea

  ノウゼンカズラ属 Campsis(凌霄屬)

  キササゲ属 Catalpa(梓樹屬)

  フクベノキ属 Crescentia(葫蘆樹屬)
中南米に5-6種
    C. alata(Parmentiera alata)
中米産
    フクベノキ C. cujete(葫蘆樹)
中米産

  ネコノツメ属 Dolichandra
南北米洲に8種
      incl. Macfadyena
    ネコノツメ D. unguis-cati(Macfadyena unguis-cati;猫爪藤)
中南米産

  ハマセンダンキササゲ属 Dolichandrone(銀角樹屬)
         
モザンビーク・熱帯&亜熱帯アジア・濠洲・太平洋諸島に10-11種
    ハマセンダンキササゲ D. spathacea 熱帯&亜熱帯アジア・太平洋に産

  チョウチンノウゼン属 Eccremocarpus(懸果藤屬)
南米太平洋岸に3種
    チョウチンノウゼン E. scaber(智利懸果藤) ペルー・チリに産

  コガネノウゼン属 Handroanthus(風鈴木屬)
中南米に約35-40種
    コガネノウゼン H. chrysotrichus(Tabebuia chrysotricha;毛黃鐘花)
         
ブラジル・アルゼンチン産
    アカバナイペー H. impetigiosus
中南米産

  ハナゴマ属 Incarvillea(角蒿屬)
中央アジア・ヒマラヤ・漢土に約14-17種
    I. compacta(密生波羅花・全緣角蒿)
甘肅・青海・四川・雲南・チベット産
    ウンナンハナゴマ I. delavayi(紅波羅花・鷄肉參)
         四川・雲南産 『雲南の植物』192 『全国中草葯匯編』下/323
    I. diffusa(I.arguta;兩頭毛・毛子草)
         
甘肅・西南・チベット・ヒマラヤ産 『雲南の植物』191
    I. forrestii(單葉波羅花)
 四川・雲南産 『雲南の植物』192
    I. lutea(黃波羅花・黃花角蒿) 四川・雲南・チベット産 『雲南の植物』192
    I. mairei(鷄肉參・滇川角蒿)
四川・雲南・チベット産
         『週刊朝日百科 植物の世界』2-149・『雲南の植物』194
      オオバナハナゴマ var. grandiflora(I.grandiflora;大花鷄肉參)
         
四川・雲南・青海産
    I. sinensis
      var. sinensis(角蒿)
         
遼寧・吉林・黑龍江・内蒙古・華北・西北・四川・貴州・雲南・チベット産
      ハナゴマ subsp. variabilis(I.variabilis;叢枝角蒿)
    I. younghusbandii(藏波羅花・西藏角蒿)『週刊朝日百科 植物の世界』2-149
         
青海・チベット・ヒマラヤ産 『全国中草葯匯編』下223-224
    I. zhongdianensis(中甸角蒿)
 雲南産 『雲南の植物』195

  キリモドキ属 Jacaranda(藍花楹属)
中南米に約50種
    キリモドキ
(ジャカランダ) J. mimosifolia(藍花楹) ボリビア・アルゼンチン産

  ソーセージノキ属 Kigelia(吊燈樹屬) 
熱帯アフリカに1-2種
    K. africana(吊燈樹)
熱帯アフリカ・マダガスカル産
      ソーセージノキ var. aethiopica(K.aethiopica)

  ニンニクカズラ属 Mansoa(蒜香藤屬)
中南米熱帯に約11種
      incl. Pseudocalymma
    ニンニクカズラ M. alliaceum(Pseudocalymma alliaceum)

  キダチノウゼン属 Markhamia(猫尾樹屬)
熱帯アフリカ・東南アジアに10種
    キダチノウゼン M. stipulata(Dolichandrone stipulata, D.cauda-felina;
         猫尾木)
広西・海南島・雲南・インドシナ・バングラデシュ産

  Mayodendron(火燒花屬)
1種
    カショウカ M. igneum(Radermachera ignea;火燒花)
         
臺灣・兩廣・雲南・インドシナ・アッサム産

  コルクノウゼン属 Millingtonia(老鴉煙筒花屬)
1種
    コルクノウゼン M. hortensis(老鴉煙筒花)
雲南・インドシナ・マレシア産

  オオナタミノキ属 Oroxylum(木蝴蝶屬・千張紙屬)
1種
    オオナタミノキ
(ソリザヤノキ) O. indicum(Bignonia indica;
         木蝴蝶・千張紙・千層紙・白玉紙)
南&東南アジア・マレシア産
         
『中薬志Ⅱ』pp.53-55 『(修訂) 中葯志』III/220-222 『全国中草葯匯編』下/106
         『週刊朝日百科 植物の世界』2-150

  ソケイノウゼン属 Pandorea(粉花凌霄屬)
東マレシア・濠洲に6種
    ソケイノウゼン
(ナンテンソケイ) P. jasminoides(粉花凌霄)
        
濠洲東北部産
    P. pandorana(魔盒凌霄)
小スンダ列島・ニューカレドニア・東部濠洲産

  ロウソクノキ属 Parmentiera(蠟燭樹屬)

  リカソルノウゼン属 Podranea(非洲凌霄屬)
アフリカに1-2種
    リソカルノウゼン P. ricasoliana(Pandorea ricasoliana;非洲凌霄)

  センダンキササゲ属 Radermachera(菜豆樹屬)
漢土南部・熱帯アジアに15-17種
    センダンキササゲ R. sinica(菜豆樹)
臺灣・兩廣・雲貴産

  キンレイジュ属 Roseodendron(金鈴木屬)
中南米に2種
    キンレイジュ R. donnel-smithii(Tabebuia donnel-smithii)
         
メキシコ~ベネズエラ産

  カエンボク属 Spathodea(火焰樹屬)
1種
    カエンボク S. campanulata(火焰樹・苞萼木)
熱帯アフリカ原産、熱帯各地で栽培

  Stereospermum(羽葉楸屬)
漢土南部・アジア&アフリカの熱帯に12-26種
    S. tetragonum(S.colais;羽葉楸)
廣西・雲貴・インドシナ・インド・スリランカ産

  Tabebuia(粉鈴木屬)

  Tecoma(黃鐘花屬)
アメリカ熱帯&亜熱帯に7種
    タチノウゼン T. stans(Stenolobium stans, Tecomaria stans;黃鐘樹)
         アメリカ熱帯&亜熱帯に産

  Tecomanthe(南洋凌霄屬)

  ヒメノウゼンカズラ属 Tecomaria(硬骨凌霄屬)
タンザニア・南アフリカに2種
    ヒメノウゼンカズラ T. capensis(Bignonia capensis, Tecoma capensis;
        鐵角凌霄・硬骨凌霄) タンザニア・南アフリカ産
   
 ノウゼンカズラ属 Campsis(凌霄 língxiāo 屬)には、2種がある。

  ノウゼンカズラ C. grandiflora(C. chinensis;凌霄花)
  アメリカノウゼンカズラ
(コノウゼン) C. radicans(美國凌霄・硬骨凌霄) 
   
 漢名凌霄は、李時珍『本草綱目』に「木に附して(くっついて)上り、高きこと数丈、故に凌霄(天空に升る)と曰う」と。
 漢語の茈・紫・柴の字については、ムラサキの訓を見よ。
 漢語の苕(チョウ,tiáo)は、普通はノウゼンカズラを指すが、別に古くからヨシの穂を指し、またアキノタムラソウを指す。なお、苕子(チョウシ,tiáozĭ)・苕菜(チョウサイ,tiáocài)はゲンゲクサフジの類。
 和名ノウゼンは、凌霄の音の訛りかという。
 『本草和名』紫威に、「和名乃宇世宇、一名末加也岐」と。
 『倭名類聚抄』陵苕に「和名末加夜木、一云農世宇」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』紫葳に、「ノセウ
和名鈔 マカヤキ同上 ノウゼンカヅラ」と。
 河北・河南・陝西・山東・華東・兩湖・兩廣・雲貴に分布。
 日本には、9世紀までに渡来。
 花・蕾は有毒。
 中国では、ノウゼンカズラおよびアメリカノウゼンカズラの花を凌霄花と呼び、根を紫葳根と呼び、茎・葉を紫葳莖葉と呼び、それぞれ薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.358-361 『全国中草葯匯編』上/641-642 『(修訂) 中葯志』V/281-288 
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤桂のるひ」に、「凌霄(のふせん) かつらにて木ニまとひ付。花ハ赤ク、大りんなり」と。
 
  久米寺
(くめでら)の凌霄花(のうぜんかづら)の蜂のおと思ひいでなむ静かなる時もがも
    
(1930「飛鳥」,斎藤茂吉『たかはら』) 
 

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