またたび 

学名  Actinidia polygama
日本名  マタタビ
科名(日本名)  マタタビ科
  日本語別名  ナツウメ
漢名  葛棗獼猴桃(カツソウビコウトウ, gézăo míhóutáo)
科名(漢名)  獼猴桃(ビコウトウ,míhóutáo)科
  漢語別名  木天蓼(ボクテンリョウ,mùtiānliăo)・天蓼・木蓼、金蓮枝、含水藤、
英名  
2007/04/06 薬用植物園

2007/05/03 同上

2007/05/26 同上

2007/06/07 同上
 雌花    両性花 
 両性花             
 

2017/07/06 長野県霧ケ峰  雄花蕾

 マタタビ科(サルナシ科) Actinidiaceae(獼猴桃 míhóutáo 科)には、3属 約360種がある。

  マタタビ属 Actinidia(獼猴桃屬)

  Clematoclethra(藤山柳屬)
    C. scandens(藤山柳)

  タカサゴシラタマ属 Saurauia(水東哥屬) 
アジア・アメリカの熱帯・亜熱帯に約300種
    S. napaulensis(尼泊爾水東哥)
廣西・西南・インドシナ・マレーシア・ヒマラヤ産 
    S. tristyla
      var. tristyla(水東哥)
兩廣・雲貴・マレーシア・ヒマラヤ産 
      タカサゴシラタマ var. oldhami(S.oldhami, S.kawagoeana;臺灣水東哥)
臺灣産 
   
 マタタビ属 Actinidia(獼猴桃 míhóutáo 屬)には、東&東南アジア・ヒマラヤに約35-55種がある。

  A. arguta
    サルナシ var. arguta(軟棗獼猴桃・軟棗子・藤瓜)
    ウラジロマタタビ var. hypoleuca(A.hypoleuca)
本州(関東以西)・四国・九州産 
  A. callosa
    var. callosa(硬齒獼猴桃)
臺灣・雲南・ヒマラヤ産 
    タイワンサルナシ var. discolor(var.formosana;臺灣獼猴桃・異色獼猴桃・京梨・山羊桃)
         
臺灣・華東・兩湖・兩廣・西南産 『雲南の植物Ⅱ』97
  A. chinensis 
    var. chinensis(中華獼猴桃)
    シナサルナシ
(オニマタタビ) var. setosa(A.setosa;獼猴桃)
    キウイフルーツ var. deliciosa(var. hispida, A.deliciosa)
  A. eriantha(毛花獼猴桃・毛花楊桃・毛冬瓜)
         
浙江・江西・福建・湖南・兩廣・貴州産 『全国中草葯匯編』下/146
  A. glaucocallosa(粉葉獼猴桃) 雲南産 『雲南の植物Ⅱ』97
  ミヤママタタビ A. kolomikta(A.sugawarana;狗棗獼猴桃・狗棗子)
         
北海道・本州(中部以北)・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・河北・四川・雲南・極東ロシア産 
         
『中国本草図録』Ⅳ/1743。一部の葉が白く、のち花後に紫紅色を帯びる。
  タカサゴサルナシ A. latifolia(寛葉獼猴桃・闊葉獼猴桃・紅蔕蛇・羊奶子)
         『中国本草図録』Ⅹ/4743
  A. liangguangensis(兩廣獼猴桃・魚網藤)
 兩廣産 『中国本草図録』Ⅹ/4744
  A. melanandra(黑蕊羊桃)
陝甘・兩湖・浙江・江西・廣西・四川・貴州産 
  A. melliana(美麗獼猴桃・毛蟲藥) 江西・湖南・兩廣産 『中国本草図録』Ⅹ/4745
  マタタビ A. polygama(木天蓼・葛棗)

  シマサルナシ
(ナシカズラ) A. rufa(A.arguta var.rufa)
  A. valvata(鑷合獼猴桃・猫人參)
華東・兩湖産 
   
 「和名またびハあいぬ語ノまたたむぶヨリ出デシ名稱ニシテ、またハ冬、たむぶハ龜ノ甲ノ意ナリ、蓋シ其蟲癭ト成リタル癩痂狀ノ果實ニ基キテ呼ビシ名ナラン、從來稱スル所ノ其果實を食ひ勢を得て復び旅する意ノ語原ハ採ルニ足ラズ」(『牧野日本植物図鑑』)。
 『本草和名』木天蓼に、「和名和多ゝ比」と。
 『倭名類聚抄』木天蓼に「和名和太々非」と。
 『大和本草』に、「藤天蓼(マタタビ) ・・・マタゝヒナリ・・・實ハ棗ノ如ク小尖レリ、中ニ子(ミ)アリ・・・又扁(ヒラ)キ實アリ、中ニ子(ミ)ナシ、一藤ノ内ニ實兩形アリ、奇異ナリ・・・實二種ナルユヘニマタゝビト云、マタツ實ナリ、ツハヤスメ字也」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』木天蓼に、「ワタゝビ
和名鈔 マタゝビ コツラ越前 ハンザウノキ播州 ナツウメ」と。
 果実は長楕円形、先が尖る。一部の葉は白色を呈す。
  (葉先が花後に紅紫色に変ずるのはミヤママタタビ A. kolomikta)。
 北海道・本州・四国・九州・朝鮮・極東ロシア・遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝甘・兩湖・四川・貴州・雲南に分布。
 マタタビバエが産卵して虫こぶ(虫癭)のできた果実(木天蓼)を 薬用にする。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤桂のるひ」に、「木天蓼(またゝひ) 葉ハゑの木(エノキ)のごとく、かづらなり。料理ニ用ル」と。

  またたびの花たづねゆく川原ぎし酢川はここに堰かれつつあり
    (1945「疎開漫吟」,齋藤茂吉『小園』)
  またたびの実を秋の光に干しなめて香
(か)にたつそばに暫し居るなり
    
(1946,齋藤茂吉『白き山』) 
 


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