辨 |
マツ属 Pinus (松 sōng 屬)については、マツ属を見よ。 |
訓 |
和名のクロは樹皮の色から。雄・男というのはアカマツに対して。 |
説 |
本州・四国・九州・朝鮮の暖帯の海岸に分布。中国では各地で栽培・造林。 |
「わが国の砂丘林のうち、汀線(満潮時の波の線)に近いところには、マツ林が最も普通である。本州の中・南部、四国、九州の海岸には、クロマツが分布する。現在は造林されたものが大部分であるが、原植生もクロマツ林であると見なされる。山形県の庄内砂丘には、大規模なクロマツ林が続くが、これも江戸時代の造林によるものである。」(沼田真・岩瀬徹『図説 日本の植生』1975) |
誌 |
(クロマツの文化史は、マツをも見よ。) |
クロマツは、日本の海岸の風景を形作っていた青松白砂の主人公。天橋立(京都府)・松島(宮城県)・三保松原(静岡県)などが有名。
また、東海道などの松並木は クロマツであって、しばしば一里塚にも植えた。 |
皇居前広場に植えられているのは、クロマツ。
(皇居前広場については、鈴木博之『東京の「地霊」』参詳)。 |
島根県・群馬県の県の木(群馬県の場合は防風林として)。 |
樹脂(まつやに)を多く含んだ赤味の強い材を肥松(コエマツ)、油松(アブラマツといい、松明(たいまつ)に用い、また工芸品の材とする。 |