辨 |
キヅタ属 Hedera(常春藤 chángchūnténg 屬)には、ユーラシア・北アフリカに約15種がある。
カナリーキヅタ H. canariensis カナリア諸島産
セイヨウキヅタ H. helix (洋常春藤・歐洲常春藤・英國常春藤) 歐洲・カフカス・小アジア産
『全国中草葯匯編』上/746
H. nepalensis
var. nepalensis(尼泊爾常春藤・多枝常春藤)チベット・ヒマラヤ産 『全国中草葯匯編』上/746
var. sinensis (H.sinensis;常春藤・爬樹藤・爬牆虎・上樹蜈蚣)
華東兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・ベトナム産 『雲南の植物Ⅱ』187・『中国本草図録』Ⅸ/4260
『全国中草葯匯編』上/745-746
H. rhombea
キヅタ var. rhombea(菱葉常春藤)
タイワンキヅタ var. formosana(臺灣菱葉常春藤) 臺灣産
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ウコギ科 Araliaceae(五加 wŭjiā 科)については、ウコギ科を見よ。 |
訓 |
和名キヅタは、ツタ(蔦)に似てより木質であることから、フユヅタとはツタが落葉性であるのに対して常緑であることから。 |
『大和本草』地錦に、「ツタニ似テ冬月モ葉ヲチス・・・倭俗壁生草(イツマテクサ)ト云」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』14下(1806)常春藤に、「カベクサ古名 イツマデグサ同上 キヅタ フユヅタ カンヅタ勢州」と。 |
属名は、セイヨウキヅタのラテン名。 |
説 |
北海道(南部)・本州・四国・九州・琉球・朝鮮に分布。 |
誌 |
『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤並桂のるひ」に、「壁生草(いつまてくさ) 葉は紋所のつたのごとく木ニまといてのほる。又よくかへ(壁)に取付のほる物也。秋紅葉する事如レ朱ノ」と。 |