かくれみの (隠蓑)
学名 |
Dendropanax trifidus (Textoria trifida, D.iriomotensis, D.morbifer, D.japonicus) |
日本名 |
カクレミノ |
科名(日本名) |
ウコギ科 |
日本語別名 |
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漢名 |
三裂樹參(サンレツジュシン, sānliè shùshēn) |
科名(漢名) |
五加(ゴカ,wŭjiā)科 |
漢語別名 |
三裂木五加(サンレツボクゴカ,sanliemuwujia) |
英名 |
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2007/08/13 薬用植物園 |
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2006/10/28 同上 |
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辨 |
カクレミノ属 Dendropanax(樹參 shùshēn 屬)には、約80種がある。
D. dentiger(D.chevalieri var.dentiger;樹參・半楓荷・楓荷梨)
臺灣・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・インドシナ産
『全國中草藥匯編 上』pp.227-228
タイワンカクレミノ D. pellucidopunctatus(臺灣樹參) 臺灣産 『中国本草図録』Ⅵ/209
D. proteus(D.parviflorus;變葉樹參・窄葉樹參・鐵鍬樹・白半楓荷)
福建・江西・湖南・兩廣・雲南産
『中国本草図録』Ⅹ/4767 『全國中草藥匯編 上』pp.227-228
カクレミノ D. trifidus(Textoria trifida;三裂樹參・三裂木五加)
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ウコギ科 Araliaceae(五加 wŭjiā 科)については、ウコギ科を見よ。 |
訓 |
「和名隱蓑ハ其葉ヲ身ヲ隱スニ着ルト云フ蓑ニ擬ヘシナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
説 |
本州(関東以西)・四国・九州・朝鮮・臺灣に分布。
よく茶室の脇などに植える。 |
誌 |
『古事記』仁徳天皇紀に「御綱柏」・『万葉集』『日本書紀』に「御綱葉」・『延喜式』に「三津野柏・御角柏」などと呼ばれる植物は、その葉を宮中の神事において酒器として用いた。仁徳天皇30年9月には、皇后自ら紀伊国熊野岬に出向いてそこの「御綱葉」を取ってきている(『万葉集』2/90,『日本書紀』)。
このミツナガシワの本体は、オオタニワタリ Neottopteris antiqua あるいはカクレミノかという。
『古事記』仁徳天皇紀に、 |
『日本書紀』巻11仁徳天皇30年9月、「乙卯朔の乙丑、皇后(きさき)、紀国(きのくに)に遊行(い)でまして、熊野岬に到りて、即ち其の処の御綱葉(みつなかしは)〔葉、此をば箇始婆(かしは)と云ふ。〕を取りて還(かへ)りませり。是(ここ)に、天皇(すめらみこと)、皇后の不在(ましまさぬとき)を伺ひて、八田皇女(やたのひめみこ)を娶(め)して、宮(おほみや)の中(うち)に納(めしい)れたまふ。時に皇后、難波済(なにはのわたり)に到りて、天皇、八田皇女を合(め)しつと聞(きこ)しめして、大きに恨みたまふ。則ち其の採れる御綱葉を海に投(なげい)れて、着岸(とま)りたまはず。云々。 |
『万葉集』2/90「君が行き け長くなりぬ 山たづの 迎へを往かむ 待ちには待たじ」の注に、上の『日本書紀』の記事を引く。 |
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