はまなす (浜茄子・浜梨) 

学名  Rosa rugosa
日本名  ハマナス
科名(日本名)  バラ科
  日本語別名  ハマナシ
漢名  玫瑰(バイカイ,méiguī,まいかい)
科名(漢名)  薔薇(ショウビ,qiángwēi)科
  漢語別名  刺玫(シバイ,cìméi)
英名  Turkestan rose, Rugosa rose, Japanese rose
2006/04/24 三芳町竹間沢 (栽培)

2009/06/20 上越市居多(こたがはま)    (自生。 僞果に、長い刺がある)

八重品と、白花品     2005/06/04  森林公園 (国立武蔵丘陵)   (栽培) 

2006/08/02 三芳町竹間沢 (栽培)

2005/02/11 神代植物公園   (栽培)

 古く漢土で作られた園芸品にマイカイ 玫瑰(バイカイ,méiguī)がある。
 R. rugosa には、次のような品種がある。
  ベニハマナシ 'Scarlet'
  スカブローサ 'Scabrosa'  
 バラ属 Rosa(薔薇 qiángwēi 屬)の植物については、バラ属を見よ。
 「和名ハ濱梨ノ意ニシテ濱茄子ノ意ニ非ズ、濱梨ハ其小兒ノ食スル圓キ果實ニ基キ、濱なすハ東北人しヲすト發音スルヨリ生ゼシ稱ナリ」(『牧野日本植物図鑑』)。 

 昭和八年八月六日の新聞の『ラジオ版』なるものを見ると、その日の午後に「東日本俚謡競べ」という催しがあると書いてある。その先頭を承るは、札幌で放送される二曲「恋のお神威」と「紅燕情話」とで、次は函館の「江差追分」、秋田の「祭礼ばやし」から、長野の「木曽節」等々、最後に「松任プールの歌」なる駄作までズラリと顔を並べている。
 ところでこの「恋のお神威」は河合裸石原作、灰野庄平作歌とあり、「紅燕情話」は河合裸石原作、山岸荷葉作歌とあるが、いずれも「浜茄子(はまなす)」の花を多分に詠み込んであるのをみると、原作者あるいは作歌者、または御両所とも、余程この花に憧憬を持っておられるものとみえる。
 これはいうまでもなく、本邦東北地方から北海道、千島、カムチャツカ、またシベリア、沿海州、満州、朝鮮北部等に亘って、単調な海岸に一点の紅を添えるところの、俚称ハマナスというバラの一種を指すことと直に首肯できる。しかるにこのハマナスなる名称は、このバラの実――やかましく言えば真正の果実が着生する花床(花托)――の外形が幾分梨子(なし)に似ると共に、子供達の食用にもなる処から、浜梨子の意味で命ぜられたものを、東北弁でハマナスというだけのわけであって、浜茄子の意味では毛頭ないのである。・・・
 ハマナスがハマナシの訛であろうと考えた私は、去る大正八年聊かその穿鑿を試みて、これを『植物学雑誌』第三百八十七号に発表したが、・・・
             (武田久吉『民俗と植物』)
 
 『大和本草』に、「玫瑰花(ハマナス) ・・・筑紫ニテ花タチ花ト云」と。 
 広く東アジアの温帯・亜寒帯に分布。
 日本では、北海道から、太平洋側は千葉県まで、日本海側は鳥取県までの海岸に分布。
 『花壇地錦抄』(1695)巻三「荊棘(いばら)のるひ」に「はまなす 花こいむらさき、ひとへ、大りん」と、また「梨子(なし)るひ」に「嶋梨子(しまなし) 赤くちいさき実あり。はまなし共いふ」と。
 中国では、蕾あるいは咲き始めの花を玫瑰花(バイカイカ,méiguīhuā)と呼び薬用にする。 『(修訂) 中葯志』V/244-248 
2006/03/31 跡見学園女子大学新座キャンパス (栽培)
2007/05/18 同上
2004/06/14 同上  2004/07/03 同左 2004/10/15 同左

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