勝木俊雄『日本の桜』は、'御室有明' Cerasus lannesiana 'Omuro-ariake' について、「サトザクラの栽培品種。京都府京都市の仁和寺(御室御所)で栽培されている。「有明」は御室の桜を代表するものだが、一重咲きや八重咲きの花を含んだ名前である。'御室有明'はその中の半八重のもので、佐野藤右衛門により増殖されて広まっている。接ぎ木で増殖したものも大枝が大きく横に張り出す独特な樹形を保っている。関東の'有明'に似て花弁は半八重でしわをもつ。若芽は茶褐色で、萼片には鋸歯がある」と。
多摩森林科学園解説板には、「京都の御室の仁和寺で、国の名勝に指定されている「御室の桜」の大部分はこの'御室有明'。仁和寺では「有明」と呼ばれるが、荒川堤にあった'有明'とは異なるので、栽培品種名は区別している。花は白色で大輪、半八重咲き。花弁数は5~10枚と幅広く、一重咲きが多い個体を「一重有明」、八重咲きが多い個体を「八重有明」と呼んで区別することもあるが、明確な差はなく、環境による変異と思われる」と。
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