かんぞう (甘草)

学名  Glycyrrhiza glabra
日本名  カンゾウ
科名(日本名)  マメ科
  日本語別名  スペインカンゾウ、セイホクカンゾウ
漢名  光果甘草(コウカカンソウ,guāngguŏ gāncăo)
科名(漢名)  豆(トウ,dòu)科
  漢語別名  歐甘草、洋甘草、西北甘草、生甘草
英名  Licorice, Liquorice
2008/05/24 東京薬科大学薬草園
 『中国本草図録』Ⅶ/3178・『中薬志Ⅰ』図89・『(修訂)中薬志Ⅰ』彩図16 参照。

 和名カンゾウ・漢名甘草(カンソウ,gāncăo)は、広義にはカンゾウ属 Glycyrrhiza(甘草 gāncăo 屬)の植物の総称。
 狭義には、中国ではウラルカンゾウ G.uralensis を甘草と呼び、日本では 本種 G. glabra をカンゾウと呼ぶ。
 カンゾウ属 Glycyrrhiza(甘草 gāncăo 屬)には、世界の温帯に約17-20種がある。

  G. aspera(粗毛甘草)
         
 陝甘・靑海・寧夏・新疆・モンゴリア・西&中央アジア・カフカス・歐洲ロシア南部産 
  カンゾウ G. glabra(G.glandulifera;洋甘草・光果甘草・歐甘草・西北甘草)
        『中国本草図録』Ⅶ/3178・3179
    カンゾウ var. glandulifera
  G. inflata (脹果甘草・新疆甘草) 甘粛・新疆・モンゴリア産 『中国本草図録』Ⅶ/3180
  イヌカンゾウ G. pallidiflora (刺果甘草・馬狼稈・馬狼柴・胡蒼耳・狗甘草)
        
極東ロシア・遼寧・吉林・黑龍江・華北・山東・江蘇・陝西産
        『中国本草図録』Ⅱ/0628 『中国雑草原色図鑑』102
        果を奶椎(ダイスイ,naizhui)と呼び薬用 『全国中草葯匯編』下/369-370
  G. squamulosa (圓果甘草・馬蘭稈) 華北・寧夏・新疆・モンゴリア産
  ウラルカンゾウ(カンゾウ) G. uralensis (甘草・甜草・甜根子・烏拉爾甘草)
        
花期は6月。『中国本草図録』Ⅲ/1210・『中国雑草原色図鑑』103・『中薬志Ⅰ』彩図13
  ウンナンカンゾウ G. yunnanensis(雲南甘草・雲南土甘草)
        
 『雲南の植物Ⅰ』148・『中国本草図録』Ⅴ/2159・『中国雑草原色図鑑』102 
    
 マメ科 Leguminosae(Fabaceae;豆 dòu 科・荳科)については、マメ科を見よ。
 漢名・和名の西北とは、中国の西北地区(陝西・甘肅・靑海・寧夏・新疆)を指す。
 『本草和名』甘草に、「和名阿末岐」と。
 『倭名類聚抄』甘草に、「和名阿万木」と。
 岩崎灌園『本草圖譜』(1828)に、「甘草(カンザウ) あまくさ
和名抄」と。『本草図譜総合解説』(木島)によれば、図はウラルカンゾウである。  
 遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝西・甘肅・靑海・寧夏・新疆・モンゴリア・シベリア・西&中央アジア・カフカス・東&南ヨーロッパに分布。
 『大和本草』甘草に、「昔ハ日本ニアル事ヲシラス、近世甲斐國ヨリ多ク出ツ、唐ヨリ來ル甘草トクラヘシニ少モ不異、性ヨシト云、奥州ニモアリ」と。ウラルカンゾウの誌を参照。
 中国では、根をウラルカンゾウと同様に薬用にする。『中薬志Ⅰ』pp.130-133、『(修訂)中薬志Ⅰ』pp.355-366。

 日本では、生薬カンゾウは ウラルカンゾウ又はカンゾウの根及びストロンで、ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)である(第十八改正日本薬局方)。いずれも薬品原料は中国から輸入。



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