ぎょりゅう (御柳) 

学名  Tamarix chinensis (T.tenuisima, T.juniperina)
日本名  ギョリュウ
科名(日本名)  ギョリュウ科
  日本語別名  サツキギョリュウ、タマリクス
漢名  檉柳(テイリュウ,chēngliŭ)
科名(漢名)  檉柳(テイリュウ,chēngliŭ)科
  漢語別名  三春柳(サンシュンリュウ,sanchunliu)、紅柳(コウリュウ,hongliu)・紅筋柳・紅筋條、山川柳(サンセンリュウ,shanchuanliu)、觀音柳、人柳、三眠柳、西河柳
英名  Chinese tamarisk
2024/03/21 薬用植物園 

2007/04/10 小石川植物園 
2007/05/08 同上
2012/05/11 同上 

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2007/04/06 薬用植物園 
           2023/04/27 同上
同上  2007/05/03
2007/05/10 同上
2005/08/19 同上
2006/12/14 同上
 ギョリュウ科 Tamaricaceae(檉柳 chēngliŭ 科)には、3-4属 約80-110種がある。

  Myricaria(水柏枝屬)
ユーラシア温帯に10-13種
    M. bracteata(M.alopecuroides;河柏・水檉柳)
         
華北・西北・モンゴリア・シベリア・中央アジア・南ロシア・カフカス産 
    M. germanica(水柏枝)
 歐洲・南ロシア・カフカス・西アジア産 時に観賞用に栽培
         
幼枝を薬用 『全國中草藥匯編 上』p.188
    M. paniculata(三春水柏枝)
河南・山西・陝甘・山西・四川・雲南産『 雲南の植物』140
    M. rosea(臥生水柏枝)
雲南・チベット・ヒマラヤ産 『週刊朝日百科 植物の世界』6-307

  コゴメギョリュウ属 Reaumuria(紅砂屬・琵琶柴屬)
地中海東部・西&中央亞に約12-20種
    R. kaschgarica(御柱紅砂・五柱枇杷柴)
甘粛・青海・新疆・チベット・天山産 
    R. songorica(Hololachna shawiana, H.songarica;紅砂・琵琶柴)
         
モンゴリア・中国西北・中央アジア産 
    コゴメギョリュウ R. soongarica(Hololachna shawiana, H.songarica;
         枇杷柴・紅沙・紅蝨・海葫蘆根)
モンゴリア・中国西北・中央アジア産 
    R. trigyna(黃花紅砂・黃花枇杷柴)
内蒙古・甘粛・寧夏産 

  ギョリュウ属 Tamarix(檉柳屬) 
   
 ギョリュウ属 Tamarix(檉柳 chēngliŭ 屬)は、互によく似ており分類がやや困難であるという。地中海地方・アフリカ・アジア温帯に分布し、含まれる種の数は約54種ともいい、約75-90種ともいう。

  アフリカギョリュウ T. aphylla
イラン乃至アフリカ東北部に分布、観賞用に栽培
  T. arcenthoides(密花檉柳)
  ギョリュウ T. chinensis(T.tenuisima, T.juniperina;
         檉柳・西河柳・山川柳)
 『中国本草図録』Ⅰ/0213
  T. elongata(長穗檉柳)
  T. gallica
西ヨーロッパ乃至ヒマラヤに分布
  T. hispida(毛紅柳)
  T. hohenackeri(多花檉柳)
  T. juniperina(檜檉柳・紅荊條・華北檉柳)
 『中国本草図録』Ⅵ/2724
  T. laxa(短穗檉柳)
  T. leptostachys(細穗紅柳)
  マナギョリュウ T. mannifera
アラビア・イラン・アフガニスタンに分布
  T. ramosissima(紅柳・多枝檉柳)
『週刊朝日百科 植物の世界』6-306 
   
 「和名ハ御柳ノ意ニシテ原ト漢名ニ出ヅ」(『牧野日本植物図鑑』)。  
 源順『倭名類聚抄』(ca.934)檉に「和名無呂」と。ただし「むろ」はネズ(ネズミサシ)であり、当らない。
 遼寧・河北・河南・山東・江蘇・安徽・モンゴリアに分布、水湿地を好む。中国では、全国各地で栽培。
 日本には、享保
(1716-1736)あるいは寛保(1741-1744)年間に、はしかの薬として(一説に観賞用に)もたらされた。
 外見は針葉樹に似ているが、広葉樹。
 中国・ヨーロッパでは、古くから薬用に供する。
 中国では、T.chinensis(檉柳)・T.juniperina(檜檉柳)・T.ramosissima(多枝檉柳)の若い枝葉を檉柳(西河柳)と呼び、花を檉柳花と呼び、樹脂を檉乳と呼び、それぞれ薬用にする。
『中薬志Ⅲ』pp.464-467 『全國中草藥匯編 上』pp.329-330 『(修訂) 中葯志』V/576-580 
 『旧約聖書』出エジプト記に出るマナ(マンナ)は、マナギョリュウ T.mannifera に寄生するマナムシ(Trabutina mannifera, Nahacoccus serpentinus など)の分泌液から作る 糖蜜状の食物(ベドウィンマナ)のことだと言う。


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