辨 |
「ふたばがき」とは、フタバガキ属の学名 Dipteracarpus「二枚の翼のある果実」の日本語訳。したがって、フタバガキとは、特定の種の名ではなく、フタバガキ属の植物の総称。 |
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フタバガキ科 Dipterocarpaceae(龍腦香 lóngnăoxiāng 科)には、世界の熱帯に16属 約700種がある。
フタバガキ属 Dipterocarpus(龍腦香屬) 約60種
D. gracilis(纎細龍腦香) 雲南・東南アジア産
D. retusus(東京龍腦香) 雲南・チベット・アッサム・東南アジア産
D. turbinatus(羯布羅香) 東インド・インドシナ産
リュウノウジュ属 Dryobalanops(冰片香屬) 7種
リュウノウジュ D. aromatica(龍腦樹・冰片) マレーシア・スマトラ・ボルネオ産
『中薬志Ⅲ』pp.619-622 『(修訂) 中葯志』V/833-836
『週刊朝日百科 植物の世界』7-185・14-153
Hopea(坡壘屬) 熱帯アジアに約100-110種
H. chinensis(H.hongayensis,H.mollissima;狹葉坡壘・萬年木)
廣西・ベトナム産
H. hainanensis(坡壘) 海南島・ベトナム産
H. reticulata(H.exaltata;鐵凌) 海南島・ベトナム・タイ産
Parashorea(柳安屬) 東南アジアに13-15種
P. chinensis(Shorea wangtianshuea;望天樹) 廣西・雲南・ベトナム産
バクティカン P. mlaanonan フィリピン・ボルネオ産
サラノキ属(サラソウジュ属) Shorea(沙羅雙屬)
リュウノウガシ属 Vatica(靑梅屬) 熱帯アジアに約65-77種
V. guangxiensis(廣西靑梅) 廣西・雲南・ベトナム産
V. mangachapoi(靑梅) ベトナム・マレー半島・ボルネオ・フィリピン産
V. odorata インドシナ・マラヤ・ボルネオ・フィリピン産
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訓 |
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説 |
「この科はヒマラヤやフィリピン、ボルネオなどの熱帯ジャングルに非常に多く、種類も驚くほどたくさんある。木質はかたく美しく、ラワン材と呼ばれて日本へもたくさん輸入され、家具などに作られる。印度の沙羅双樹もインドの代表的な用材である」(中尾佐助「ヒマラヤの花」)。 |
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