辨 |
チューリップ属 Tulipa(鬱金香 yùjīnxiāng 屬)には、地中海地方乃至中央アジアに約150種がある。
T. clusiana(淑女鬱金香) 南欧からイラン・イラク・アフガニスタン原産
T. fosteriana サマルカンド原産
チューリップ T. gesneriana(鬱金香;E.Common garden tulip)
西アジア原産、古来トルコで栽培。
T. greigii トルキスタン原産。『週刊朝日百科 植物の世界』10-16
T. hageri
T. heterophylla(異葉鬱金香)
T. iliensis(伊犂鬱金香・伊犂山慈姑・伊犂光慈姑)
中央アジア産 『全國中草藥匯編 上』pp.118,355
T. kaufmanniana 中央アジア産、『週刊朝日百科 植物の世界』10-25
T. praestans 中央アジア原産
T. saxatilis(巖生鬱金香)
'Lilac Wonder'
T. stellata
T. sylvestris(林生鬱金香) ヨーロッパ唯一の自生種、中部・南部に分布
var. australis 地中海地方に分布
T. systola(荒漠鬱金香) イスラエルなどの半砂漠に自生。『週刊朝日百科 植物の世界』10-24
T. tarda
T. turkistanica(T.sylvestris var.turkestanica;土耳其鬱金香)
中央アジア産、『週刊朝日百科 植物の世界』10-26
T. zenaidae 中央アジア産、『週刊朝日百科 植物の世界』10-26
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ユリ科 Liliaceae(百合 băihé 科)については、ユリ科を見よ。 |
訓 |
和名・英名などの語源は、ターバンを意味する古ペルシア語のtulipan またはトルコ語のtülbend で、花の形をターバンに擬えたもの。 |
説 |
園芸品は、Tulipa gesnerianaから改良されたものが主。
日本には文久年間(1861-1864)に輸入され、1920年ころから量産されだした。 |
誌 |
1554年にトルコからヨーロッパに入り、1559年ゲスナーは挿図入りで記載。のちウィーン・アウグスブルクを経て、1593年オランダのレイデン大学にもたらされ、ここでさまざまな花をさかせる品種が作り出され、球根産業が興った。大流行は法外な投機熱を呼び起こし(1球13,000フローリンにもなったという)、とくに1634-1637年の熱狂は チューリップ恐慌事件
Tulipomania として歴史に名をとどめている。オランダでは今日もチューリップの球根栽培が盛んであり、チューリップはオランダの国花。
一方、改良されたチューリップはトルコに逆輸入され、オスマン・トルコの1718-1730ころはチューリップ時代 Lale devri と呼ばれ、またチューリップはオスマン帝国の国章に用いられた。 |
中国では、花を薬用にする。 |
日本では、こんにち富山・新潟県で球根栽培が盛んであり、生産量はオランダを抜いて世界一という。というわけで、富山・新潟では県の花。 |