辨 |
シクラメン属 Cyclamen(仙客來 xiānkèlái 屬)には、地中海地方・イラン・ソマリアに約15-20種がある。
C. africanum アルジェリア原産。スミレの香がする。
C. coum ブルガリア・カフカス・西アジア産
C. cyprium キプロス島産
C. graecum 『週刊朝日百科 植物の世界』6-18
C. hederifolium(常春藤葉仙客來)
C. mirabile
C. neapolitanum(地中海仙客來)
シクラメン C. persicum(仙客來・雪克來)
C. purpurascens 仏・伊・独・ポーランド・バルカン・ギリシア産
C. repandum 仏・伊・コルシカ・サルディニア・バルカン・ギリシア・アルジェリア産
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サクラソウ科 Primulaceae(報春花 bàochūnhuā 科)については、サクラソウ科を見よ。 |
訓 |
Cyclamen の名は、ギリシア語の kuklaminos から。根の形を kuklos(E.circle)に擬えて。
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和名カガリビバナは、花の形から(牧野富太郎の命名)。
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漢名の雪克來・仙客來は、cyclamen の雅な音写。
蘿蔔海棠の蘿蔔はダイコン、大きな塊茎を持つことから。
兔子花は、瓣の形をウサギの耳に擬えて。 |
ヨーロッパの各国語で「豚のパン」(E.Sowbread, F.pain de pourceau など)と言うのは、根をブタの餌にしたことから。ブタノマンジュウは、その和訳。 |
説 |
地中海地方東部(シリア・ギリシア)原産。古代ギリシア・ローマ以来、塊茎を薬用にした。
原種は、『週刊朝日百科 植物の世界』6-18参照。
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ヨーロッパには1596年に入り、17世紀から観賞用に栽培され始め、ca.1620フランスですでに栽培。1731年にイギリスに入り、19世紀に大花の品種改良が進んだ。
今日の観賞用園芸品種は、すべて本種からの作出。 |
日本には、明治24-25年(1891-92)ころ渡来、新宿御苑で栽培された。日露戦争以後、一般に普及した。 |
誌 |
J.E.ブリューゲル Jan E.Brueghel(1599-1607)「花瓶の花束」(ca.1600,ウィーン美術史美術館) 部分 |
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