ささゆり (笹百合)
学名 |
Lilium japonicum |
日本名 |
ササユリ |
科名(日本名) |
ユリ科 |
日本語別名 |
サユリ、ヤマユリ |
漢名 |
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科名(漢名) |
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漢語別名 |
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英名 |
Japanese pink lily, Kramer's lily |
2008/06/14 六甲高山植物園 |
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2005/06/21 薬用植物園 |
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2006/06/22 同上 |
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2008/07/12京都府立植物園 |
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辨 |
ユリ属 Lilium(百合屬) については、ユリ属を見よ。 |
訓 |
和名は、葉の形から。 |
小野蘭山『本草綱目啓蒙』23(1806)百合の条に、「サゝユリ ヤマユリ サユリ」と。
これらは今日のササユリである。笹百合と呼ぶのは「葉ハ竹葉ノ如くにして厚ク光リア」る故であり、別に山百合と呼ぶのは「薬用ハ山中自生ノ者ヲ採故」だという。
なお、L. auratum(天香百合)をヤマユリと呼ぶようになったのは明治以降であり、江戸時代にヤマユリと呼んだものはこのササユリである(牧野)。 |
説 |
本州(中部以西)・四国・九州に分布。 |
誌 |
『万葉集』に、ゆり・さゆりと詠われているものは、多くはササユリであろうという。文藝譜を見よ。
吾妹児(わぎもこ)が家の垣内(かきつ)のさゆり花
ゆり(後)とし云はば不欲(いな)とふに似む (8/1503,紀豊河)
路の辺の草深百合の後にと云ふ妹が命を我知らめやも (11/2467,読人知らず)
道の辺の草深ゆりの花咲(えみ)に咲みしがからに妻といふべしや
(7/1257,読人知らず)
おほきみの とほのみかどと ま(任)きたまふ 官のまにま
みゆきふる こし(越)にくたり来 あらたまの としの五年
しきたへの 手枕まかず ひもとかず まろ宿(ね)をすれば
いぶせみと 情(こころ)なぐさに なでしこを や戸(宿)にまきおほし
夏のの(野)のさゆりひきうゑて 開く花を いで見るごとに
なでしこが そのはなづま(花妻)に さゆり花 ゆり(後)もあはむと
なぐさむる こころしなくは あまさかる ひな(鄙)に一日も あるべくもあれや
反歌
なでしこが 花見るごとに をとめらが ゑまひのにほひ おもほゆるかも
さゆり花 ゆりも相はむと したは(下延)ふる こころしなくは 今日もへ(経)めやも
(大伴家持「庭の中の花に歌を作る一首」18/4113;4114;4115)
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『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、「さゝゆり 中。野ニ有。白ニ黄すぢ有花。吉野ゆり共はこねゆり共いふ」と。このささゆりは、ヤマユリである。 |
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