辨 |
黄花の変種に、オウゴンオニユリ var. flaviflorum がある。
ユリ属 Lilium(百合 băihé 屬) については、ユリ属を見よ。 |
訓 |
『大和本草』に、「巻丹{ヲニユリ}」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』23(1806)百合の条に、「巻丹ハ オニユリナリ、一名クルマユリ仙台 ガウロ防州豫州 ガウル豫州」と。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・朝鮮・吉林・華北・陝甘・華東・兩湖・廣西・四川・貴州・雲南・青海・チベットに分布。ただし、日本で栽培するものは 古く中国から食用として入ったものであろうという。
今日では、広く世界中で観賞用に栽培。 |
ふつう見るものは3倍体で、種子をつけず、鱗片繁殖あるいは珠芽(葉腋につくむかご)により増殖する。
1977年以降、2倍体が朝鮮海峡を挟んで、対馬と韓国南部に自生しているのが確認されている。 |
誌 |
日本・朝鮮・中国では、地下の鱗茎を 食用にする。
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中国では、オニユリの鱗茎を薬用にする。
日本では、生薬ビャクゴウ(百合)は オニユリ、ハカタユリ、Lilium brownii 又はイトハユリの鱗片葉を、通例、蒸したものである(第十八改正日本薬局方)。 |
『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、「鬼ゆり 末。色赤、大りん、黒ほし有。八重鬼ゆりハ、花せんやう」と。 |