辨 |
基本種を大和当帰・大深当帰と呼び、次の変種を区別する。
ホッカイトウキ var. sugiyamae 北海道産
ミヤマトウキ(イワテトウキ) var. iwatensis 東北・北海道産 |
中国の當歸(トウキ,dāngguī)は同属別種 Abgelica sinensis(A. polymorpha var. sinensis)、別名は秦歸・雲歸。 |
シシウド属 Angelica(當歸 dāngguī 屬)については、シシウド属を見よ。 |
訓 |
漢名の當歸については、シシウドを見よ。 |
大深当帰の名は、奈良・和歌山県境に近い富貴・大深地区で生産することから。 |
説 |
本州中北部に分布。
野生のミヤマトウキ var. iwatensis を栽培化したものともいう。17世紀中葉に大和・山城で栽培・生産化した。 |
ホッカイトウキは、明治末に奈良から北海道に導入したものから、昭和初期に選抜したもの。トウキとエゾノヨロイグサ A. anomala が自然交配したものとする説、トウキの変異とする説などがあり、定まらない。 |
誌 |
中国では、當歸(トウキ,dāngguī) A.sinensis(A.polymorpha var.sinensis)は、『爾雅』釋草に「薜(ヘキ,bì)、山蘄(サンキ,shānqí;サンキン,shānqín)」として載る、古い薬草。シシウドの誌を見よ。
吉林省では、本種ニホントウキを栽培して 當歸として用いる。 |
日本では、生薬トウキ(当帰)は トウキ又はホッカイトウキの根を、通例、湯通ししたものであ る(第十八改正日本薬局方)。
また、中国の當歸も薬用にし、こちらは唐当帰と呼んで区別する。 |
当帰よりあはれは塚のすみれ草 (芭蕉,1644-1694)
なら道や当皈(たうき)ばたけの花一本(ひとき) (蕪村,1716-1783)
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