かのこそう (鹿子草) 

学名  Valeriana fauriei
日本名  カノコソウ
科名(日本名)  スイカズラ科
  日本語別名  ハルオミナエシ、ケッソウ(纈草)
漢名  蜘蛛七(チチュウシチ,zhīzhūqī)
科名(漢名)  忍冬(ニントウ,rĕndōng)科
  漢語別名  纈草(ケツソウ,xiécăo)、珍珠七、馬蹄、七星、七里香、地花椒、拔地麻
英名  

2008/04/17 薬用植物園 2008/05/22 同左
2005/05/22 薬用植物園
2013/05/04 同上 

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2007/06/07 同上

 カノコソウ属 Valeriana(纈草 xiécăo 屬)には、世界に約200-400種がある。

  コウアンカノコソウ V. alternifolia
  ケカノコソウ V. amurensis(黑水纈草)
         
朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア産 『中国本草図録』Ⅵ/2858
  ナガバカノコソウ V. dageletiana
  カノコソウ
(ハルオミナエシ) V. fauriei(蜘蛛七・珍珠七・地花椒)
    シロバナカノコソウ f. albiflora
    マンセンカノコソウ var. dasycarpa
  ツルカノコソウ V. flaccidissima(柔垂纈草・岩邊香・蔓甘松)
  V. hardwickei(巖邊香・豆豉草)
四川・雲南産 『全国中草葯匯編』下/289
  V. jatamansi(V.wallichii;蜘蛛香・心葉纈草・馬蹄香・土細辛)
         
河南・陝西・両湖・四川・貴州・雲南・チベット・ヒマラヤ・インドシナ産
         『中国本草図録』Ⅳ/1872 『全国中草葯匯編』上/906-907
  ミヤマカノコソウ V. kawakamii(高山纈草)
  セイヨウカノコソウ V. officinalis(纈草・歐纈草・穿心排草;E.Valerian)
        
歐洲・カフカス・西アジア産 『中国本草図録』Ⅳ/1873
    var. latifolia(寛葉纈草)

 なお、中国では、Valeriana alternifolia, V. fauriei などを V. officinalis のシノニムとする。   
 スイカズラ科 Caprifoliaceae(忍冬 rĕndōng 科)については、スイカズラ科を見よ。 
 和名カノコソウは、花序に紅白混じりあい、鹿子絞(かのこしぼり)に似て見えることから。それを漢字で纈草(けつそう)と書いた。
 したがって、漢名で同属植物を纈草(ケツソウ,xiécăo)と呼ぶのは、和名の導入と言う。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』12(1806)に、「春ノヲミナメシ 一名カノコサウ キヌマキ サクラガハグサ」と。
 属名 Valeriana は、ローマ皇帝ウァレリアーヌス(253-260)に捧げられたもの。
 Valeriana fauriei は、北海道・本州・四国・九州・朝鮮・臺灣・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシアに分布。
 Valeriana officinalis は、西アジア~ヨーロッパに分布。
 中国では、Valeriana officinalis(纈草)などの根茎・全草を薬用にする。

  ケカノコソウ V. amurensis(黑水纈草)
  セイヨウカノコソウ V. officinalis(纈草)
カノコソウ・コウアンカノコソウを含む

 日本では、生薬カノコソウは カノコソウの根及び根茎である(第十八改正日本薬局方)。
 ヨーロッパでは、セイヨウカノコソウの根(ワレリアナ根 Valeriana rhizoma)を、昔から薬草として、鎮静薬などさまざまに用いる。イギリスでは魔除の草とされたという。

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