ひめはぎ (姫萩) 

学名  Polygala japonica
日本名  ヒメハギ
科名(日本名)  ヒメハギ科
  日本語別名  
漢名  瓜子金(カシキン,guāzĭjīn,かしこん)
科名(漢名)  遠志(エンシ,yuănzhì)科
  漢語別名  日本遠志、瓜子草・瓜米草、辰砂草、金鎖匙、竹葉地丁、金牛草、竹葉地丁(チクヨウチテイ,zhúyè dìdīng)、紫花地丁(シカチテイ,zĭhuā dìdīng) 
英名  
辨  ヒメハギ科
   ヒメハギ属


誌 
2023/04/27 薬用植物園

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2023/05/21 小石川植物園 

 ヒメハギ科 Polygalaceae(遠志 yuănzhì 科)には、世界中に約17-26属 約800-1000種がある。

   ハナシヒナノカンザシ属 Epirixanthes(寄生鱗葉草屬)
熱帯アジアに6種 
     E. elongata(寄生鱗葉草)

   ヒメハギ属 Polygala(遠志屬)

   ヒナノカンザシ属 Salomonia(齒果草屬)
 アジア・濠洲に約5-6種 
     S. cantoniensis(齒果草・一碗藨)
『全国中草葯匯編』下/2
     ヒナノカンザシ S. ciliata(S.oblongifolia)
         
北海道・本州・四国・九州・朝鮮(南部)・漢土・東南アジア・印度産 

   Securidaca(蟬翼藤屬)
     S. inappendiculata(蟬翼藤)
 『全国中草葯匯編』下/365

   Xanthophyllum(黃葉樹屬)
     X. hainanensis(黃葉樹) 
    
 ヒメハギ属 Polygala(遠志 yuănzhì 屬)には、世界の亜熱帯・温帯に約500種がある。
 東アジアには次のようなものがある。

   タイワンキンチャク P. arcuta(臺灣遠志)
臺灣産
   P. arillata(黃花遠志・鷄根遠志・鷄膽子果・荷包山桂花・小荷包)
         
 『雲南の植物Ⅱ』78・『中国本草図録』Ⅲ/1244 『全國中草藥匯編 上』p.431
   P. arvensis(小花遠志・小金牛草・細金牛草・小金不換・七寸金・紫背金牛・紫花地丁)
         『中国本草図録』Ⅸ/4218 『全国中草葯匯編』下/79-80
   P. aureocauda(黃花倒水蓮・黃花大遠志・黃花遠志・吊黃・倒吊黃花) 
         
『全国中草葯匯編』上/765-766
   P. barbellata(髯毛遠志)
   P. caudata(尾葉遠志・烏棒子・水黃楊木)
湖北・兩廣・西南産 『全國中草藥匯編 上』pp.213-214
   P. chinensis(P.glomerata, P.telephioides;華遠志・(大)金不換・
(大)金牛草・
         紫背金牛・金牛遠志・坡白草・小花遠志・金牛草)
         
浙江・江西・福建・兩湖・兩廣・貴州・雲南産 『中国本草図録』Ⅰ/0158
         
『中薬志Ⅲ』pp.124-128 『(修訂) 中葯志』IV/473-476 『全国中草葯匯編』下/46
   P. crotalarioides(西南遠志・地花生)
四川・貴州・雲南・東南アジア・印度産 
   P. fallax(黃花倒水蓮) 『中国本草図録』Ⅹ/4688
   ヒメハギ P. japonica(瓜子金)『中国本草図録』Ⅵ/2701
   P. karensium(P.tricornis;密花遠志) 『雲南の植物Ⅲ』56
   リュウキュウヒメハギ P. longifolia(金花遠志)
         
琉球・漢土(南部)・東南アジア・インド・濠洲産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020) 
   P. persicariifolia(蓼葉遠志・紫飯豆) 『中国本草図録』Ⅷ/3677
   シンチクヒメハギ P. polyfolia(P.simadae) 
        
奄美・琉球・臺灣・漢土・東南アジア・インド・濠洲産 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020) 
   カキノハグサ P. reinii
   シベリアオンジ P. sibirica(卵葉遠志・西伯利亞遠志・寛葉遠志)
         
 遼寧・吉林・黑龍江・河北・河南・山西・陝西・新疆・山東・福建・四川・雲南・シベリアに分布。
         『中薬志』Ⅰpp.234-237・Ⅲp.126 『全國中草藥匯編 上』pp.304-305
         『中国本草図録』Ⅳ/1718・『中国雑草原色図鑑』124
     var. megalopha(小遠志・苦遠志・小藍花地丁・紫花地丁・大冠遠志・小丁香)
         
 『雲南の植物Ⅱ』78 『全国中草葯匯編』下/86
   ヒナノキンチャク P. tatarinowii(小扁豆・小遠志・天星吊紅
) 
         
本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・西北・華東・兩湖・四川・貴州・雲南・臺灣・ 
         ・東南アジア・印度産 絶滅危惧IB類(EN,環境省RedList2020) 
         
 『中国本草図録』Ⅴ/2178・『中国雑草原色図鑑』125
   イトヒメハギ P. tenuifolia(P.sibirica var.angustifolia,
         P.sibirica var.tenuifolia;遠志・細葉遠志・小草・葽繞)
         『中国雑草原色図鑑』125
   P. wattersii(山桂花・木本遠志・長毛籽遠志・木本瓜子金)
         
江西・兩湖・兩廣・西南・チベット)産 『中国本草図録』Ⅶ/3198

 外来植物で観賞用に栽培或いは帰化しているものに次のようなものがある。
   ハリヒメハギ P. ambigua
北アメリカ原産
   ポリガラ P. myrtifolia var. grandiflora
 南アフリカ原産
   コバナヒメハギ
(カスミヒメハギ) P. paniculata 南アメリカ原産
   カンザシヒメハギ P. sanguinea
北アメリカ原産
   セネガ P. senega(美遠志)

     ヒロハセネガ var. latifolia 
   クルマバヒメハギ P. verticillata
北アメリカ原産 
    
 「和名姫萩ハ紫花ヲ開キ萩花ヲ想起シ、且草態小形ナルヲ以テ斯ク名ク」(『牧野日本植物図鑑』)。  
『大和本草』遠志に、「小葉似黄楊木而小ナリ、處々有之」というから、これはヒメハギであろう。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』
(1806)に、「遠志 ヒメハギ コグサ シバハギ スゞメハギ江戸花家 ノチヤ筑前」と。 但し遠志はイトヒメハギ
 属名は「多い乳」、牛に与えると乳の量が増す、という伝承から。
 英名も milkwort。
 北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・臺灣・華東・兩湖・兩廣・四川・貴州・雲南・西北・華北・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア・フィリピン・インドシナ・ヒマラヤに分布。
 中国では、根或は全草を瓜子金(カシキン,guāzĭjīn,かしこん)と呼び、薬用にする。『中薬志』Ⅰpp.234-237・Ⅲpp.126-127 『全國中草藥匯編 上』pp.304-305 『(修訂) 中葯志』IV/294-296
 安徽では全草を竹葉地丁と呼び、雲南では紫花地丁と呼び、薬用に輸出する。
 『詩経』国風・豳風「七月」に、「四月は秀(しげ)れる葽(えう。ヒメハギか)」と。
 北アメリカに産する同属異種セネガ P. senega の根も薬用にする(日本薬局方)。

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