一説に、『万葉集』のにこぐさは、ハコネシダであるとする(他説にはアマドコロ)。
葦垣の中のにこ(似児)草にこやかに
我と咲(え)まして人に知らゆな (11/2762,読人知らず)
あしがり(足柄)のはこね(箱根)のね(嶺)ろのにこぐさの
はな(花)つづま(妻)なれやひも(紐)と(解)かずね(寝)む (14/3370,読人知らず)
所射鹿(いゆしし)をつなぐ河辺の和草(にこぐさ)の身も若かへにさ宿(ね)し児らはも
(16/3874,読人知らず)
秋風になびくかはび(河辺)のにこぐさの
にこよかにしもおも(思)ほゆるかも (20/4309,大伴家持)
|