げんのしょうこ (現の証拠) 

学名  Geranium nepalense subsp. thunbergii (=G. thunbergii)
日本名  ゲンノショウコ
科名(日本名)  フウロソウ科
  日本語別名  ミコシグサ(神輿草)、フウロソウ(風露草)、タチマチグサ、ツルウメソウ、ウメヅル、ベンジョクソウ、イシャイラズ(イシャコロシ・イシャタオシ・イシャナカセ)、コウボウグサ、クチベシ、センニンタスケ、アカハラグサ、セキリグサ、センブリ
漢名  尼泊爾老鸛草(ジハクジロウカンソウ,nibo'erlaoguancao)
科名(漢名)  牻牛兒苗(ボウギュウジビョウ,mangniuermiao)科
  漢語別名  老鸛草、短嘴老鸛草(タンシロウカンソウ,duanzuilaoguancao)、五葉草、五瓣草、鐵燈碗、紫地楡
英名  

2009/04/16 入間市宮寺
2008/08/08 田島が原
2008/08/29 群馬県嬬恋村
2008/10/09 入間市宮寺

 基本亜種 ssp. nepalense は、タイ北部からヒマラヤに分布。
 フウロソウ(風露草)とは、
   広義にはフウロソウ科フウロソウ属 Geranium の植物の総称、
   狭義にはそのうちのゲンノショウコ。
 フウロソウ科 Geraniaceae(牻牛兒苗科)には、次のような属がある。
   Biebersteinia(熏倒牛屬)
     B. heterostemon(熏倒牛)
   オランダフウロ属 Erodium(牻牛兒苗屬)
     E. cicutarium(芹葉牻牛兒苗)
     オランダフウロ E. cordifolium
地中海地方原産
     E. hoefftianum(長喙牻牛兒苗)
     キクバフウロ E. stephanianum(牻牛兒苗・太陽花・長嘴老鸛草・老鸛草・勾鏈鏈・車車路・綿綿牛・狼巴巴草)
     E. tibetanum(短喙牻牛兒苗)
   フウロソウ属 Geranium(老鸛草屬)
   テンジクアオイ属 Pelargonium(天竺葵屬)
 園芸上は、かつての属名ゼラニウム Geranium が用いられる
     P. domesticum(大花天竺葵)
     P. grandiflorum
     ニオイテンジクアオイ P. graveolens(香葉天竺葵・香葉)
     P.×hortorum(天竺葵)
アフリカ原産
     P. zonale(馬蹄紋天竺葵) 
 フウロソウ属 Geranium(老鸛草屬)には、日本・中国に産するものに次のようなものがある。
   G. batangense(巴塘老鸛草)
   G. dahuricum(粗根老鸛草)  東北。『中国本草図録』Ⅸ/4207
   G. delavayi(五角葉老鸛草) 
『雲南の植物』132
   チシマフウロ G. erianthum(千島牻牛兒苗)
   G. eriostemon(毛蕊老鸛草) 
東北・華北・西北・湖北・四川。『中国本草図録』Ⅲ/1230
     グンナイフウロ var. reinii(長毛老鸛草)
       タカネグンナイフウロ f.onoei
       エゾグンナイフウロ f. yezoense
   G. farreri(圓柱根老鸛草)
   G. forrestii(曲嘴老鸛草) 『中国本草図録』Ⅷ/3670
   G. henryi(血見愁老鸛草)
 『中国本草図録』Ⅶ/3188
   G. koreana(朝鮮牻牛兒苗)
 『中国本草図録』Ⅴ/2172
   タチフウロ G. krameri(G.japonicum;突節老鸛草)
 『中国本草図録』Ⅲ/1231
   G. lambertii
『雲南の植物』133
   G. maximowiczii(興安老鸛草) 『中国本草図録』Ⅹ/4674
   G. napuligerum(蘿蔔根老鸛草) 『中国本草図録』Ⅷ/3671
   G. nepalense (尼泊爾老鸛草・老鸛草・短嘴老鸛草・牻牛兒苗)
 『中国本草図録』Ⅱ/0642
     ssp. nepalense
タイ北部からヒマラヤに分布
     ゲンノショウコ(フウロソウ) ssp. thunbergii(G. thunbergii)
   G. paishanensis(長白老鸛草)
   G. pratense(草原老鸛草)
   G. pseudosibiricum(藍花老鸛草)
   G. pylzowianum(甘靑老鸛草・賈貝)
 『中国本草図録』Ⅵ/2696
   G. refractoides(反瓣老鸛草・紫萼老鸛草) 『中国本草図録』Ⅷ/3672
   ヒメフウロ
(シオヤキソウ) G. robertianum(纎細老鸛草・猫脚印・石巌酸角草)中国では湖北・四川・貴州・雲南に分布
   イヨフウロ
(シコクフウロ) G. shikokianum
     カイフウロ var. kai-montanum
     ヤマトフウロ var. yamatense
     ヤクシマフウロ var. yoshiianum
   G. sibiricum(鼠掌老鸛草・西伯利亞老鸛草・風露草) 東北・華北・西北・湖北・四川・西藏。
『中国本草図録』Ⅱ/0643
     イチゲフウロ var. glabrius
   G. sieboldiii(突節老鸛草)
   G. sinense
雲南産、『週刊朝日百科 植物の世界』3-164
   アサマフウロ G. soboliferum(匍枝老鸛草・綫裂老鸛草)
 『中国本草図録』Ⅳ/1708
     ツクシフウロ var. kiusianum
   G. transhaicalicum(大花老鸛草) 『中国本草図録』Ⅸ/4208
   G. transversale(串珠老鸛草)
   コフウロ G. tripartitum
   G. tsingtauense(靑島老鸛草) 『中国本草図録』Ⅶ/3189
   G. vlassovianum(毛老鸛草)
   ミツバフウロ
(フシダカフウロ) G. wilfordii(老鸛草・鴨脚老鸛草) 東北・華北・内蒙古・山東・湖南。『中国本草図録』Ⅶ/3190
     タカオフウロ var. chinense
     ホコガタフウロ var. hastatum
   G. wlassiwianum(友背老鸛草)
   G. yezoense (沙頭老鸛草・金山老鸛草) 四川
     イブキフウロ var. lobato-dentatum
     ハクサンフウロ var. nipponicum
     ハマフウロ var. pseudo-palustre
     エゾフウロ var. yezoense
   ビッチュウフウロ G. yoshinoi
   G. yunnanense
『雲南の植物』133

 外来の帰化種に、次のようなものがある。
   アメリカフウロ G. carolinianum(野老鸛草・鷺嘴草,Carolina geranium)
河南・江蘇・浙江・江西。『中国雑草原色図鑑』122
   オトメフウロ G. dissectum(Cut-leaved crane's-bill)
   ヤワゲフウロ G. molle(Dove's-foot crane's-bill)
   チゴフウロ G. pusillum(Smallflowered crane's-bill)
   ピレネーフウロ G. pyrenaicum(Hedgerow crane's-bill)

 観賞用に栽培するものに、次のようなものがある。
   G. argenteum
アルプス・北アペニン原産
   G. cinereum
ピレネー・アペニン原産
   G. endressi
ピレネー原産
   G. platypetalum(寛瓣老鸛草)
 コーカサス原産
   G.×riversleaianum
   アケボノフウロ G. snguineum(血紅老鸛草)
 ピレネー・アルプス原産
     var. lancastriense
ランカスター原産
   G. traversii 
 漢名は、種に対するもの。
 花屋で売るゼラニウム geranium は、テンジクアオイ属 Pelargonium の園芸品の俗称。
 煎じて飲むと下痢止めに速やかな効果があるので「現の証拠」と呼ばれ、また「医者要らず」とも言う。
 猫足草の名は葉の形から。神輿草は、熟して弾けた果実の形から。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』13(1806)牛扁の条に、「ゲンノシヤウコハ 一名ホツケサウ ホツケバナ木曾 レンゲサウ ミコシグサ長州 サクラガハ江戸 フウレイ江州 フウギク種樹家 ネコアシ仙台 ベニバナ城州岩倉 冬ノウメ越後 チゴグサ上州」と。
 漢名の、尼泊爾は ネパール Nepal、老鸛は コウノトリ。
 科名の牻牛とは、黒白まだらのウシ。
 学名の geranium は、ギリシア語の「小さい鶴 granion」から。実の形をツルの嘴になぞらえて。
 なお、英名を geranium と呼ぶ植物は、フウロソウ科テンジクアオイ属 Pelatrgonium のうち観賞用に栽培するものの総称。かつての属名 geranium が、園芸上通用しているため。
 ゲンノショウコ ssp. thunbergii は、日本全国に分布し、西日本には花が紅紫色のものが、東日本には白いものが多い。
 種としては、日本・中国(華東・華中・西北・西南)・ネパール・インド・スリランカなどに分布する。
 中国では、次の植物の果実つき全草を老鸛草(ロウカンソウ,laoguancao)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.79-84
   キクバフウロ Erodium stephanianum(牻牛兒苗・老鸛草・老鸛嘴・太陽花・狼巴巴草)
   ミツバフウロ G. wilfordii(老鸛草・鴨脚老鸛草) 『中国本草図録』Ⅶ/3190
   G. nepalense (尼泊爾老鸛草・老鸛草・短嘴老鸛草) ゲンノショウコの基本亜種。『中国本草図録』Ⅱ/0642
   G. sibiricum(鼠掌老鸛草・西伯利亞老鸛草・風露草) イチゲフウロの基本変種。『中国本草図録』Ⅱ/0643

 また地方により、次のようなものを老鸛草として薬用にする。
   ハクサンフウロ G. yezoense (沙頭老鸛草・金山老鸛草)
   G. dahuricum (塊根老鸛草)
   アメリカフウロ G. carolinianum (野老鸛草・鷺嘴草)
   グンナイフウロ G. eriostemon (毛蕊老鸛草)
   ヒメフウロ G. robertianum (纎細老鸛草・猫脚印・石巌酸角草) 
 日本では、花期直前に全草を採取し、根を除いて日干ししたものを薬用にする(日本薬局方)
2009/08/23 岐阜県大野郡白川村



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