せんきゅう (川芎) 中国の

学名  Conioselinum sinense 'Chuanxiong' 
  (Ligusticum sinense 'Chuanxiong', L. chuanxiong)
日本名  
科名(日本名)  
  日本語別名  
漢名  川芎(センキュウ,chuānxiōng)
科名(漢名)  繖形(傘形,サンケイ,sănxíng)科
  漢語別名  芎藭(キュウキュウ,xiōngqióng)、小葉川芎(ショウヨウセンキュウ,xiăoyè chuānxiōng)
英名  
 『中国本草図録』Ⅶ/3252参照。

 諸書の記述をかんがみるに、中国で薬用に用いる川芎(センキュウ,chuānxiōng)と、日本で栽培するセンキュウとは、学名が異なる。分類上の意見の相違か、或は別種か。和のセンキュウの辨を見よ。
 ミヤマセンキュウ属 Conioselinum(山芎 shānxiōng 屬)については、ミヤマセンキュウ属を見よ。
 漢名川芎(センキュウ,chuānxiōng)は、「四川産の芎藭(キュウキュウ,xiōngqióng)」の意。
 芎藭(キュウキュウ,xiōngqióng)は、「或は曰く、〈人頭、穹窿 高きを窮む。天の象なり。此の薬 上行して、専ら頭脳の諸疾を治す。故に芎藭の名 有り〉と」
(李時珍『本草綱目』)
 芎の古音は qiōng、今は xiōng と読む。「もと■{艸冠に宮}に作る。名義、未詳」と(李時珍『本草綱目』)
 『漢語大字典』によれば、藭と熟せば キュウキュウ,xiōngqióng と読み、芎藭(キュウキュウ, xiōngqióng)の意。一文字で■と
書けば キュウ,gōng と読み、葶藶(テイレキ,tínglì,イヌナズナ)の意。
 川芎は、四川・貴州・雲南・インド・ネパールに分布するという。河北・陝甘・江蘇・浙江・江西・湖北・廣西・四川・貴州・雲南などで薬用に栽培しており、主産地は四川。
 センキュウ Cnidium officinale(洋川芎) は、日本では 本州の高原・北海道などで栽培。中国では、吉林省延辺地区で栽培し、川芎と同様に薬用にする(『全国中草薬匯編』)
 中国では、太い塊根を川芎・芎藭と呼び、苗・葉を蘼蕪(ビブ,míwú)と呼び、それぞれ薬用にする。『全國中草藥匯編 上』pp.133-134,『中薬志Ⅰ』pp.67-6
 なお、兩湖・江西産の茶芎(撫芎)・四川金佛産の川芎・貴州産の川芎は、コウホン L. sinense(藁本)。
 『楚辞』「離騒」に、「江離(センキュウ)と辟芷(へきし、白芷。シシウドの仲間)とを扈(こうむ)り、秋蘭(フジバカマ)を紉(つな)いで以て佩(はい)と為す」と。

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