せんきゅう (川芎) 中国の
学名 |
Conioselinum sinense 'Chuanxiong'
(Ligusticum sinense 'Chuanxiong', L. chuanxiong) |
日本名 |
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科名(日本名) |
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日本語別名 |
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漢名 |
川芎(センキュウ,chuānxiōng) |
科名(漢名) |
繖形(傘形,サンケイ,sănxíng)科 |
漢語別名 |
芎藭(キュウキュウ,xiōngqióng)、小葉川芎(ショウヨウセンキュウ,xiăoyè chuānxiōng) |
英名 |
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辨 |
諸書の記述をかんがみるに、中国で薬用に用いる川芎(センキュウ,chuānxiōng)と、日本で栽培するセンキュウとは、学名が異なる。分類上の意見の相違か、或は別種か。和のセンキュウの辨を見よ。 |
ミヤマセンキュウ属 Conioselinum(山芎 shānxiōng 屬)については、ミヤマセンキュウ属を見よ。 |
訓 |
漢名川芎(センキュウ,chuānxiōng)は、「四川産の芎藭(キュウキュウ,xiōngqióng)」の意。
芎藭(キュウキュウ,xiōngqióng)は、「或は曰く、〈人頭、穹窿 高きを窮む。天の象なり。此の薬 上行して、専ら頭脳の諸疾を治す。故に芎藭の名 有り〉と」(李時珍『本草綱目』)。 |
芎の古音は qiōng、今は xiōng と読む。「もと■{艸冠に宮}に作る。名義、未詳」と(李時珍『本草綱目』)。
『漢語大字典』によれば、■藭と熟せば キュウキュウ,xiōngqióng と読み、芎藭(キュウキュウ, xiōngqióng)の意。一文字で■と書けば キュウ,gōng と読み、葶藶(テイレキ,tínglì,イヌナズナ)の意。
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説 |
川芎は、四川・貴州・雲南・インド・ネパールに分布するという。河北・陝甘・江蘇・浙江・江西・湖北・廣西・四川・貴州・雲南などで薬用に栽培しており、主産地は四川。
センキュウ Cnidium officinale(洋川芎) は、日本では 本州の高原・北海道などで栽培。中国では、吉林省延辺地区で栽培し、川芎と同様に薬用にする(『全国中草薬匯編』)。
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誌 |
中国では、太い塊根を川芎・芎藭と呼び、苗・葉を蘼蕪(ビブ,míwú)と呼び、それぞれ薬用にする。『全國中草藥匯編 上』pp.133-134,『中薬志Ⅰ』pp.67-6
なお、兩湖・江西産の茶芎(撫芎)・四川金佛産の川芎・貴州産の川芎は、コウホン L. sinense(藁本)。 |
『楚辞』「離騒」に、「江離(センキュウ)と辟芷(へきし、白芷。シシウドの仲間)とを扈(こうむ)り、秋蘭(フジバカマ)を紉(つな)いで以て佩(はい)と為す」と。 |
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